米大統領がウルグアイ訪問 チャベス発言を無視
2007.03.11
Web posted at: 15:52 JST
- CNN/AP/REUTERS
ウルグアイ・アンチョレナパーク──中南米を歴訪中のブッシュ米大統領は10日、2番目の訪問国であるウルグアイのバスケス大統領と首脳会談を行い、二国間貿易拡大を重点的に協議した。
ブッシュ大統領はヘリコプターで、バスケス大統領の別荘があるウルグアイ南西部アンチョレラに到着した。前日にはベネズエラのチャベス大統領がアルゼンチンの反米集会で、ブッシュ米大統領を「政治的には死に体」などと酷評したが、ブッシュ大統領はこれに言及せず、中南米との友好関係を築きたい意向を強調した。
ブッシュ大統領や側近は、チャベス大統領の発言を通常黙殺している。スノー米大統領報道官は、ウルグアイに向かう途中の大統領専用機の機内で記者団に対し、チャベス大統領の発言を無視するのは難しいと漏らす一方、ブッシュ大統領が中南米各国首脳との会談に専念する方針だと述べた。
中道左派政権を率いるバスケス大統領は、民主主義と市場自由化を支持する点でブッシュ大統領と一致している。ウルグアイにとって米国はここ数年で最大の貿易相手国であり、牛肉や衣料の対米輸出拡大を希望している。米国は先日、自由貿易協定(FTA)のたたき台となる貿易投資枠組みでウルグアイと合意したばかり。ただ、ウルグアイは域外国との二国間自由貿易交渉を禁止している南米の関税同盟メルコスルに加盟しているため、今後の動きが注目される。
ウルグアイ国内の左派勢力は9日、ブッシュ大統領の訪問に抗議する80人規模のデモ行進を行った。ただ、この日夜にブッシュ大統領の車列が首都モンテビデオ市内を通過した際には、サイレンを鳴らし警察車両とともに通過する黒いリムジンを見ようと、数千人の市民が沿道に詰め掛けた。