新型インフル、妊婦は重症化に注意を 米報告
ジョージア州アトランタ(CNN) 米国内での新型インフルエンザ(H1N1型)の症例で、妊婦の症状が重くなるケースが目立つとの報告が発表され、米疾病対策センター(CDC)の医師らがあらためて注意を呼び掛けている。
CDCの産婦人科医、デニース・ジェイミーソン博士らがまとめた報告によると、米国内で4月15日から6月16日までの間に報告された新型インフルによる死者45人のうち、6人が妊婦だった。6人とも感染前は健康だったが、ウイルス性肺炎を起こし、呼吸困難に陥ったという。
また、CDCがこれまでに調べた新型インフルによる死者266人のうち、6%に当たる15人が妊婦だった。妊娠している女性が米人口に占める割合は、平均1%前後とされる。
さらに、新型インフルと診断されて入院する率は、妊婦の場合、一般の患者の4倍に上ることも明らかになった。ただし、同じ症状を示していても妊婦の患者には医師がより注意深く対処するため、入院の指示が出やすいとの傾向も背景にある。
ジェイミーソン博士は、妊婦の症状が重くなりがちな原因として、「大きくなった子宮が横隔膜を押し上げ肺を圧迫するため、呼吸障害を起こしやすいこと」「妊娠中は胎児を『異物』とみなさないよう、免疫機能が抑制されること」を挙げる。ただ、妊婦がほかのグループに比べ新型インフルにかかりやすいとは言い切れず、「予防のために日常生活を変える必要まではない」という。
同博士は一方で、妊婦が感染した場合は「早急に抗ウイルス剤を投与すべきだ」と主張。胎児への影響を懸念して抗ウイルス剤の処方を控える医師もいるが、「この場合は、投与による利点がリスクを上回ることが分かっている」と強調した。
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