南米チリでM8.8の地震、死者増加 ビル倒壊など被害甚大か
(CNN) 米地質調査所(USGS)は27日、南米チリで現地時間の同日午前3時34分(日本時間同午後3時34分)ごろ、マグニチュード(M)8.3の地震があったと報告した。その後、M8.8と上方修正した。チリ政府当局者は少なくとも52人が死亡したと述べた。バチェレ大統領は、就寝時間帯での発生などを踏まえ、死傷者が増える恐れがあるともし、非常事態に相当する災害宣言を出した。甚大な被害が出ている可能性がある。
震源は、同国中部コンセプシオン市から北北東へ約115キロの太平洋沖合で、震源の深さは約35キロ。M6.2、5.4、6.9などの余震が20波以上続いた。コンセプシオンは首都サンティアゴから南西へ約341キロ離れている。同市はチリ第2の都市で人口は約20万人。地震の揺れはアルゼンチンの一部でも観測された。同国の首都ブエノスアイレスではビルから住民が避難する騒ぎも起きた。
チリ内の詳しい物的被害の詳細は不明だが、サンティアゴでビルが倒壊したとの情報がある。市内にある駐車場では天井部分が崩落、車両約50台に被害が出た。サンティアゴのホテル滞在客は、揺れで窓ガラスが割れたと報告している。ビル本体に損傷はなかった。サンティアゴ、コンセプシオンなどで停電が発生した。首都では水道、電話網にも支障が出ている。
ハワイにある太平洋津波警戒センターがチリとペルーを対象に津波警報を発令した。その後、解除されたとの情報もある。注意報もエクアドル、コロンビア、パナマやコスタリカなど対象に出された。同センターは震源に近いチリ沿岸部で最大で約2.7メートルの津波を観測したとも報告した。多数の太平洋沿岸諸国で津波が発生する恐れもある。
USGSによると、チリでは1960年5月、M9.5の地震が発生、1655人が死亡している。カリブ海ハイチでは今年の1月12日、M7.0の地震が発生、20万人前後の犠牲者が出たとされる。
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