WMD発見の失敗でブッシュ政権の信頼性に傷、元上級顧問
ワシントン(CNN) ブッシュ前米大統領の上級顧問だったカール・ローブ氏が近く刊行する回顧録で、2003年3月のイラク軍事作戦に触れ、前大統領が米国民にウソを付いて開戦に踏み切った事実はないと主張していることが6日分かった。
この回顧録は「Courage and Consequence: My Life as a Conservative in the Fight」。同氏は、イラクで大量破壊兵器(WMD)は発見されないとブッシュ政権が知っていたなら、軍事作戦には踏み込まなかったと強調。「サダム(・フセイン元大統領)の脅威を除去し、体制変化を図る別の方法を求めただろう」と指摘し、米連邦議会もWMDの脅威なしでは力の行使を認める決議は支持しなかっただろうと述べている。ブッシュ大統領は、イラクのWMDの脅威を開戦の根拠にしていた。
ローブ氏は、フセイン元大統領がイラク戦争の開始前、WMDの大部分を処理し、もしくはシリアのような他国に移動した可能性もあると言及。
その上で、最終的にWMD保管を発見出来なかったことで政権の信頼性に傷が付いたと振り返り、「大統領を弁護し、記録を正す上で対応が弱かったことが、前政権が犯した最大の過ちの1つだった」と総括した。これらの失敗は自らの責任とも認めている。
回顧録は9日に発売予定。自らの半生に触れると共に、ブッシュ大統領に仕えた期間の思い出、チェイニー副大統領、米中央情報局(CIA)によるテロ容疑者への過酷な尋問、2005年に米南部諸州を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」被害での対応などにも言及している。
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