076734 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

THE Zuisouroku

THE Zuisouroku

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2023/10/08
XML
カテゴリ:戦争・近現代史
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村
論考 - ブログ村ハッシュタグ
#論考


 前回のこの項では 全体主義を敢えて、骨格標本に例えた。今回は、全体主義を支えた腰骨に肉付けを行うと、どんな機関がここに充のかを考えたい。
 先に腰骨の部分を肉付けする事により、結果として頭蓋骨の中身である「頭脳」のも自ずと判明する事となろう。

 「頭脳」なしに、腰骨の「国防」に肉付けしても、これが働く事は無いからだ。

 前回この腰骨に「国防」という概念を充てた。では、「国防」が即、軍国主義を形成したのか?否、そうではあるまい。
 では、「軍国主義」というものと「国防」とが一体になったのはどんな仕掛けからなのか?
 
 頭蓋骨には「天皇制」と言う概念化したものを充てたが、では「頭脳」の中身は何か?腰骨の「国防」は、この「頭脳」の中身次第なのである。「頭脳」として肉体化させれば、この中身は一つだけではない。現実化させればここには国家の主要機関が入る。『大日本帝国憲法』の性格上、ここには「政府」をはじめとした、軍令軍事をつかさどる「大本営」や、各政府機関、教育機関、思想統制機関等の「天皇」を支えるための「機関」が充てられよう。
 ここから腰骨へと至る、背骨に「立憲君主制」が充てられたが、「天皇」と直結した、背骨こそが、正にこの、腰骨の「国防」を軍国化させたのではあるまいか?
 
       従ってこれをシンプルに書けば下記のようになりはしないか?
     
              

        (前提条件)『大日本帝国憲法』による 全体主義
     
     1「天皇」と立憲君主制により「国防」は即「軍国主義」だった。
     2「政府」・「大本営」が軍国主義を形成した。
     3「軍」の下剋上。
     4「国民」の権利制限、若しくは「不与」。
     5軍国主義の確立。

  こう見れば、『大日本帝国憲法』によって大前提として既に、大日本帝国に全体主義は構築されており、ここに「天皇」と立憲君主制とが司令塔とその連絡役としての機能を果たし、腰骨に当たる「国防」に直結した結果、軍国主義を、大日本帝国に形成したものなのではないかと言う仮説が立つ。

 「大正デモクラシー」なる社会の動きは、この時期が自由な「デモクラシー時代」であったというロマンティックな回想として語られることもあるが、逆にこの様な社会の動きが特に求められなければならないほど、実は「日本帝国」が、その全体主義の下にあり、この時期もまた「息苦しい」ものであった事と、それ故に民衆が、この時期に日本の民主化を求めなければならなかった「時代の表れ」である事とを証明するものとなる。決して自由などでは無かったのだ。
 人権と言う概念が未だなく、「民権」という表現でこれを捉えた「社会的な動き」が求めたものこそ、実は人権であったという事になるだろう。

 骸骨化してみれば、日本の全体主義は案外簡単な構造で、腰骨に充てられる「国防」が欽定憲法下では常に軍国化への可能性を秘めつつ、敗戦まで存続したといえよう。

 この体制下、「分子」に当たる「国民」は手足であった。この「手足」は文字通り「頭脳」の命令に、盲目的に従うものとして位置付けられる。

 日本の全体主義は、具体的な例えば、対米戦争への備えとして、その必要上、急遽、軍国主義へと切り替わるものではない。
 「政党政治家に対する不信感」は、これを敷くことになった一つの要因に過ぎなかったのだ。
 これが軍国主義を出現させる直接の原因になった様に言う説があるが、それも違うように思われるのだ。
 
 大日本帝国の敷いた軍国主義とは、「天皇」と言う司令塔からその背骨である「立憲君主制」、そこに隷属する「政府と軍部」という一貫した体制の事だったのではないか?
 明治期の「富国教兵」から昭和の「鬼畜米英」までこれを支えたのが、日本の全体主義であり昭和に入り突如姿を現した軍国主義と言う構図では無く、日本の「国防」は即「軍国主義」ではなかったか?
 
 以上の様に考えれば、私は軍国主義が明治期から昭和にかけて、途中から急遽歴史に挿入されるように登場したものでは無く、「初めからあった」ものなのだと考えざるを得ないのだが・・・。


 参考資料として松下政経塾の神山洋介氏の論考 
  大日本帝国憲法下における「臣民」の残像
 を参照。

PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 政治ブログ 人権へ
にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2023/11/14 04:49:59 AM



© Rakuten Group, Inc.