石巻署大瓜駐在所 2900世帯管轄、所員1人
仮設住宅が立ち並ぶ石巻市総合運動公園周辺(石巻市開成で)
約7000戸の仮設住宅を抱える石巻市で、警察の態勢整備が課題となっている。これまで住
宅がなかった場所に、震災後、大規模な仮設住宅団地が建設されたため、警察官1人の駐在所
が、数千人規模の仮設団地を管轄しているところもある。
石巻市中心部から約3キロの市総合運動公園周辺には、約1100世帯が入居する開成仮設
団地と約700世帯が入居する南境仮設団地が隣接する。同公園一帯はもともと住宅や商店は
少なく、外灯もほとんど整備されていない。
開成団地では昨年8月、傷害致死事件が発生。飲酒が絡んだトラブルや、駐車場の車が傷つ
けられたり、屋外に置いていた靴や傘などを盗まれたりする事件なども頻発している。小中学
生の娘2人を持つ開成団地の女性(42)は「周りは知らない人ばかり。夜は子供に外を出歩
かせないよう注意している」と話す。
両団地を管轄するのは、約2キロ離れた場所にある石巻署大瓜駐在所。震災前は約1100
世帯を受け持っていたが、現在は3倍近い約2900世帯に膨れあがった。駐在所員1人では
回りきれないため、パトカーが巡回してカバーしている状態だ。
県警には今月、各地の警察本部から270人が出向し、沿岸の警察署などに配属された。石
巻署地域課の菅原優課長は「仮設住宅には、精神的に不安定な住民もいる。治安を守るために
人員増強が急務」と話す。
内陸の大森地区では、里山のふもとに約400世帯が入居する大森仮設団地が建設され、河
北署二俣駐在所が管轄する地域の人口は2倍になった。同署は、津波で全壊した沿岸の大川駐
在所を二俣駐在所に併設させ、2人態勢としたが、それでもパトロールは追いつかない状態と
いう。
仮設団地にも徐々に自治会が組織されているが、行政からの連絡の伝達などで忙しく、治安
面にまでは手が回らないのが実情だ。開成、南境両団地で入居者のアンケートを進めている石
巻専修大の山崎泰央准教授は、「仮設団地では住民同士の関係が浅く、不審者の見分けがつか
ない。警察と住民が密に協力するしくみが必要」と指摘する。
(2012年2月9日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20120209-OYT8T00094.htm
震災当時から治安悪化が激しく、未だに改善されていません。
早く、何とかしてほしいです。
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