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ハイネの森

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2008.11.02
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最高の行楽日和の連休中だけど、風邪はひいているし娘は塾だし、
お家家にひきこもりで、録画してあった映画を2本見た。
どちらも長編で大作。



天井桟敷の人々   1945年 フランス

フランス映画史上最高といわれている作品。
詩を聞いているようなセリフの数々で、メモっておいたら「口説きのテクニックと愛の囁き」
なんて本が一冊できてしまいそうな美しい言葉が全編に溢れている。
かの国の人々が、文学を愛し、自国の言葉を異常なくらい大事にし、「自分たちこそ最高!!」と思っていらっしゃるのも納得した。

「恋なんて簡単さ」って、私の審美眼ではとうてい男前には見えない主役のバチスト(ジャン=ルイ・バロー)が言っても、さまになるから不思議だ。
バチストが憧れる女性ギャランス(アルレッティ)、このおばちゃん(!)に男性陣がこぞって愛を囁くのだが、これも私の審美眼ではよーわからん。外見ではなく女性として魅力があるということなのかしらん?? 肝っ玉母ちゃん系の香りがしてしまい、見た目ではちょっと?だが、彼女の話すフランス語をそのまま聞き取れたら魅力的な女性に思えるのかしらねぇ?

3時間超見て、「あぁこうきましたか・・」というラスト。
このラストで納得できるには、見ているほうに芸術的思考力と想像力が必要で、
日々の出来事の全てに原因と結果を求める無粋な人間には、3時間の時間の経過の結果としては満足できないかもしれない。
私は無粋よりなんでね・・



覇王別姫    1993年 香港・中国  

こちらも3時間コース。
二人の京劇俳優が激動の時代(清朝が倒れた中華民国の時代から日中戦争、共産党支配、文革、そしてその後)に翻弄されながら生きていくさまを描いた作品。

京劇の女形俳優の蝶衣役のレスリー・チャンの役が乗り移ったような演技が、作品の中での蝶衣の舞台と現実が交錯しているような部分と重なり合って、凄みのある名演。
彼は彼自身が同性愛者であることをカミングアウトしていた俳優さんなので、より一層役との重なりの部分を感じるのかもしれないが、それにしても指先などの所作ひとつひとつが、狂おしいほどの寂しさを封じ込めた情感溢れるもので、姿を見ているだけでなんとも切なくもの悲しい。

最後のほうに描かれている文化大革命では、人間のイヤらしさと残酷さを見せつけられる。
救いがない悲惨さで、人間の存在を否定されているような事が遠くない過去に行われていた事に今更ながら驚かされる。

文革で糾弾され、お互いを罵り合い別れてしまう二人の京劇俳優、蝶衣と小楼が11年後に再び観客のいない体育館のようなところで「覇王別姫」で共演するのだが、
蝶衣はその場で、幼き頃より心を寄せていたただひとりの人-小楼の小道具の剣で自ら死を選ぶ。

なぜ11年後なのか?
なぜ蝶衣が死を選び倒れたとき、小楼は子供の頃の名前「豆子」と呼びかけた後微笑むのか?

う~ん、またしても想像力の欠如でわからない~しょんぼり

袁という京劇界の権力者の男が出てくる。
妙に威厳はあるが覇気のないホヨ~っとした、どこを見ているのだかわからない不気味な男。
ああいうキャラクターはあの時代を描いた中国映画にはよく出てくる。
定番のキャラなのかしら。





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Last updated  2008.11.02 19:30:08
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