|
テーマ:DVD映画鑑賞(13603)
カテゴリ:映画☆観劇☆スポーツ観戦
公開時には過激なラブシーンばかりが話題になったが、
それだけではないだろう、と予想していた作品。 1942年日本占領下の上海、抗日運動に身を投じた女子学生のワン・チアチー(タン・ウエイ)がスパイとしてマイ夫人と身分を偽り、日本軍傀儡政権の特務機関の男イー(トニー・レオン)に近づき、彼の命を狙うが、逢瀬を重ねるうちにお互い愛し合い・・・ 冒頭の富裕階級の女性の麻雀シーンから緊張感がいっぱい。 その緊張感が最後まで途切れることがない。 あの時代の上海の退廃的な香りが画面から漂う。 麻雀卓上での駆け引きの視線、疑惑であったり威嚇であったり、そしてマイ夫人に扮したチアチーの誘惑の視線、それに気づくイーの視線。 のっけから意味深な視線が飛びかい、話の中に引きずり込まれた。 香港での学生時代、チアチーは抗日運動の学生リーダーにほのかな恋心を抱き彼と行動を共にするようになる。 自分たちが演じた学生演劇が大衆にうけたことから、抗日運動にのめりこみ、自分たちだけでイーを暗殺する計画をたてる。 チアチーを人妻マイ夫人に仕立てあげ、イーを誘惑し暗殺の機会を狙うというのが計画だが、 人妻は処女であってはいけないので、チアチーは唯一女性経験がある仲間の男相手に処女を棄てることになる。 なぜこの時の相手がリーダーでなかったのか。お互いに相思相愛であったはずなのに・・ 同じ家の空間で、愛する女性が他の男に抱かれているのを我慢する事ができたのか? 思想が愛を越えてしまった悲劇の始まりで、この場面が一番切なかった。 結局香港では計画は成功せず、場面は3年後の上海になる。 イーを誘惑することに成功し、その結果チアチーもイーを愛してしまう。 問題のラブシーンだが、露出度はものすごくR-18も納得のベッドシーンなのにあまりセクシーではない。確かに見えすぎてエロチックとはいえるが、なんというかうまく言えないが、体育会系のラブシーンに思えてしまった。 戦っているような、という表現が一番近いかも・・・ 日本料理店の座敷で二人きりでいる場面のほうが、よほど色っぽくエロチックだ。 服を着ていないより服を着ているほうが色っぽく見えるのは、女性目線だろうか。 チアチーを演じたタン・ウエイという新人女優さんはとにかく可愛い。 身体にフィットしたチャイナドレスに身を包み、イーとの愛欲におぼれても、色気がムンムンするのではなくほんとうに愛らしく可愛いのだ。 そして目の力がすごく強い。 全編“香りのする”映画。 時代の香りであったり街の香りであったり。 時代を背景にした上質なメロドラマに仕上がっているのだから、あそこまで過激なシーンが必要だったか少々疑問に感じる。 見せまくらなくても情の激しさの表現はできると思うけれど。 (2007年 アメリカ、中国、台湾、香港) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[映画☆観劇☆スポーツ観戦] カテゴリの最新記事
|