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ハイネの森

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2012.08.27
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WOWOWで観賞かちんこ


「ピアノの詩人」ショパンの物語。
故郷ポーランドを離れパリに行くところから、亡くなって彼の心臓を姉のルドヴィカが故郷に持ち帰るところまでを描いたポーランド映画だ。

20歳から39歳の死までのショパンの伝記映画だが、19年間のうち9年間つきあっていたジョルジュ・サンドとの愛憎劇が主で、「ショパンの伝記」というよりは「ジョルジュ・サンドさんちの家庭崩壊劇」のように思えた。

全編に流れるショパンの音楽は素晴らしいし、曲のチョイスも秀逸。

レトロ感のある映像は19世紀半ばの雰囲気がよく出てて、ショパンが演奏していた貴族のサロンの場面もゴージャスで、こういうところで演奏していたのね~と勉強になる。


作曲家の実像を知ることは演奏する上で必要なことだが、ショパンの旋律にただ恋している夢見る夢子ちゃんには不向きな映画。

どろどろ愛憎劇なのだ。


ショパン自身の健康状態が良くないところに、自由奔放なジョルジュ・サンドに振り回され、自由奔放な女だけならまだしも、そこに息子に対する盲目的愛情を注ぐ母親の部分までサンドは持ち合わせているから始末が悪い。

サンドの息子のモーリスはショパンと12歳しか違わない。

愛人と母親のイチャイチャを見せられ、絵を描いているものの才能はイマイチ、それなのにお母ちゃんだけは異常に誉めてくれる。

モーリスくん、そりゃひねくれるよね。

妹は、「兄ちゃんばっかり可愛がって!」 とこちらもひねくれ、酒にはしったり、ショパンにちょっかいかけたり、こちらも泥沼。


映画だから全部事実とはかぎらないが、天才芸術家の生活なんてあんなものだろうとは想像できる。


泥沼から名作は生まれる。蓮みたいなもんね。



モーリスはショパンに嫉妬し続け、母の愛を奪い返そうとする。
それはショパンがいつも故郷の母を想っていることとリンクする。

「心臓は故郷へ」とショパンは姉にお願いするが、あれは「故郷へ」というよりは「ママのもとへ」ということなんだろうな。


母と息子のつながりは、それほど深いものがあるということのようだ。



ポーランド映画なので、〈フランス〉を象徴するサンド一家には冷たい描き方になったのかもしれない。



この映画には描かれていないが、

ジョルジュ・サンドはショパンと別れてから31年後、72歳でこの世を去る。
モーリスくんは、ショパンの後どれほどの数の男性に嫉妬したんだろう。


(2002年 ポーランド)





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Last updated  2012.08.27 16:11:26
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