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カテゴリ:大阪府自治体巡り
母方の曽祖母は私が幼稚園の時に亡くなった。
もう50年以上前、朧げながら縁側に静かに座っていた姿は憶えている。 母が亡くなってから、色々な手続きで必要な改正原戸籍などを取り寄せると、曽祖母の出生地も記載されていた。旧堺の宿院近くが曾祖母の実家だったようだ。 母から聞かされていた曾祖母の事は、旧堺の砂糖を扱う商家の生まれで、駕籠に乗って曽祖父のところに嫁入りしたということ。 曾祖母の家には、天井近くにその駕籠がつられていた。 旧堺生まれの曾祖母の事を話したいと思った時、もう話す相手がいないことに気づいた。 母も叔母も鬼籍に入り、曾祖母の事をよく知っている人はこの世からいなくなった。 こうなった時、その人は「ご先祖様」になると感じた。 亡くなっても、共にその人について語らう相手がいる間はこの世に繋がっているが、その人の想い出を話す相手が誰もいなくなった時に、亡くなった人は「ご先祖様」になったのだと。 もしかして曾祖母の実家が関係したこともあるかもしれないということで、 堺区のテーマを「和菓子屋さん」にすることにした。 1軒めは、阪堺電車〈宿院駅〉からすぐのところにある『本家小嶋』。 味のある店構え。 創業は1532年。室町幕府12代将軍の頃に創業の、「芥子餅」で有名な老舗だ。 芥子餅(140円)とニッキ(140円)を3個ずつ買った。 柔らかい求肥とプチプチする芥子の実の異なる食感がいい。 こし餡は優しい甘さだ。 『本家小嶋』は支店・通販がないので、ここでしか買うことができない。 対して、難波の高島屋や梅田阪急に店舗があり、大阪空港や新大阪駅でも買えるのが、 宿院駅近く紀州街道沿いにある『堺名物けし餅本舗 小島屋』 こちらのお店の創業は延宝年間。 延宝は1673年から1681年で、4代将軍家綱、5代将軍綱吉のころ。 じゅうぶんに老舗だ。 次は、府立泉陽高校(与謝野晶子さん橋田壽賀子さん沢口靖子さんの母校)近くにある 『八百源来弘堂』。 創業200年余。 ここの名物は看板にもある「肉桂餅」。 シナモンの香り高く、こし餡をくるんだ求肥がふわぁっと柔らかい。 シナモン好きにはたまらないお味だ。 トリは、阪堺電車〈寺地町駅〉近くの『かん袋』 鎌倉時代末期1329年創業。 足利尊氏が北条得宗家を倒してやろうかと思っている頃なので、かなり古い。 ここは、「くるみ餅」一本勝負。 豆の餡でお餅をくるんでいるので「くるみ餅」。 ここの餡はとても滑らかな口当たりだ。 とても美味しいので地元泉州土産としたいところだが、賞味期限が当日なので手土産にしたことはなく、いつも自分用だ。 老舗の4軒を選んだが、他にも、昭和に創業の『曽呂利』や『天神餅』など堺区にはお菓子のお店が多い。 千利休のホームタウンの堺、お茶とセットの和菓子が発展したのだろう。 本家小嶋 (月休) 大阪府堺市堺区大町西1丁2−21 堺名物けし餅本舗 小島屋 堺市堺区宿院町東1丁1-23 八百源来弘堂 (日休) 大阪府堺市堺区車之町東2丁1−11 かん袋 (火水休) 大阪府堺市堺区新在家町東1丁2−1 [堺市堺区] 人口 149074人 (2021年7月1日現在) 面積 23.65平方キロメートル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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