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カテゴリ:大阪府自治体巡り
大阪市平野区のテーマは「環濠都市」。
JR関西本線(大和路線)の平野駅周辺は、「平野郷」という中世からの環濠自治都市として有名な場所だ。 町の周りに濠と土居をめぐらし、外敵の侵入を防御する造りになっている集落を環濠都市という。 その環濠が平野では残っている。 JR平野駅 平野駅南口から東へ徒歩5分のところに環濠跡がある。 町の自治と安全を守るため濠をめぐらした時期ははっきりとはしないが、戦国時代ではないかと考えられている。 大和の国から大坂への交通の要所だった平野は、戦国武将にとっては重要な場所で、狙われることが多かったのだろう。 天下統一を目指している者にとって、自治を主張する町は目障りな存在。 平野郷は織田信長とも色々とあったようだ。 柵の右側が環濠で、写真左側が平野川 平野川を使った舟運でも栄えた町だった。 経済的に栄えた町じゃないと、「自分らだけでやるで」と自治を主張できないわね。 環濠跡のすぐ横にあるのが杭全神社 「杭全」は「くまた」と読む。大阪の難読地名のひとつだ。 征夷大将軍坂上田村麻呂の子、広野麿が杭全荘を領地として賜り、その子(田村麻呂の孫)の坂上当道が862年(貞観4年)に、荘園内に祇園社を建てたのが始まりと伝わっているお宮さん。 拝殿奥にある3つの本殿はいずれも国の重要文化財に指定されている。 “お宮さんあるある”の、本殿はよく見えないという造り。 第一本殿は江戸時代で、あとの2つは室町後期の1513年に建立されている。 地元の信仰が厚い歴史あるお宮さんだ。 トラディショナルなお宮さんのわりにはトラはちょっとファンキーだけど。(笑) 境内入口には御神木の大きなクスノキがある。 樹齢千年とあった。 1000年前というと藤原道長や頼通がブイブイいわせてる頃だね。 立派なクスノキだ。 平野郷の町を少し歩いてみよう。 国道25号線沿いにある杭全神社の鳥居 25号線を越えて南へ。 道標があって歴史ある雰囲気がある。 アーケードのある商店街には、 レトロな新聞屋さんがある。 1929年(昭和4年)に建てられた「小林新聞舗」。国の登録有形文化財に登録されている。 新聞販売店としての創業は1889年(明治22年)で、大阪市内で一番古い朝日新聞販売店だ。 味のある建物があって趣のある商店街だが、 空家問題にも直面しているみたいね。 アーケードを抜けて平野公園へ。 公園脇には地蔵堂がある。 平野郷には十三の入口があり、そのひとつの樋尻口門がこの地蔵堂あたりになる。 平野公園内で一段高くなっているのは土塁跡 環濠と土塁で町を守っていたのね。 府道186号線を西へ歩いていると、 和菓子屋さんがあったので入った。 こちらの名物は平野酒饅頭 6個入り(712円)を買った。 まろやかなこし餡たっぷりの酒饅頭で美味だった。 近くに行ったらまた買いたい。 メトロ谷町線〈平野駅〉まで来たら、歩き始めのJR〈平野駅〉に戻ることにした。 途中、こんなところがあった。 旧南海平野線平野駅跡プロムナード 大正期から1980年(昭和55年)まで南海平野線が走っていた。 その終点の平野駅があったところが、軌道の雰囲気を残した公園になっている。 メトロ谷町線の天王寺~八尾南間開通によって平野線は廃止された。 八尾南まで伸びたのが42年前。もうそんなになるんだ。 ターミナル駅の天王寺からJRで2駅。 レトロさが残っている平野郷だった。 [大阪市平野区] 人口 188,468人(2022年7月末現在) 面積 15.28平方キロメートル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.09.26 15:30:06
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