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心中天網島(1969.05.24) 表現社/ATG モノクロ 100分
監督:篠田正浩 出演:中村吉右衛門/岩下志麻/滝田裕介/小松方正/加藤嘉/藤原釜足/浜村純etc 総合評価 ★★★★★★★★★☆(9点) ストーリー★★★★★★★★☆☆(8点) キャスト ★★★★★★★☆☆☆(7点) 昨日に引き続き篠田正浩監督作品を見る。今日見たのは『心中天網島』。この作品は篠田正浩の作品の中でも評価が高くて前からちょっと気にはなっていた作品。最近地味な映画しか見て無い中では結構メジャーな作品かと思われる。(それでも尚マイナーかもしれないが)それにしても配給がATGだったのね・・・。ATGで記憶あるのは『家族ゲーム』ぐらいしかないな・・・。 見終わった感想としては全てが衝撃的! 実験的というのかホント見とれちゃうくらいの凄まじい美的センスに溢れる作品。こういう舞台のような映画は初めて見たかもしれない。個人的には『他人の顔』以上の衝撃。近松門左衛門原作映画見るのは『浪花の恋の物語』『近松物語』...と3本目か。いずれも駆け落ち・心中系の作品だね。中村錦之助&有馬稲子、長谷川一夫&香川京子、そして中村吉右衛門&岩下志麻・・・、どれもいいなぁ~。 キャストはほとんど心中という二人の世界の映画ながら結構いいメンバーが揃った。ちなみに主演で二役を演じた岩下志麻は監督の奥さんで、相手役中村吉右衛門は現松本幸四郎の弟さんですね(顔そっくり)。脇では出番少ないながら滝田裕介・小松方正・加藤嘉・藤原釜足・浜村純と名優が固めてる。特に印象に残るのは黒子の浜村純に、見事なまでに憎々しい小松方正。作品全体としてはやっぱり主演の二人、特に岩下志麻といった印象。 『死ぬ時に首括るのと咽を斬るのとどっちが痛いでしょうか』 結果的に首括ったのが治兵衛で、咽を斬られたのが小春。どっちかというと映像見る限り咽を斬られた方が苦しそうだったw というわけで一番印象に残る台詞としてはこれをあげておこう。おさんの『大事な子をどないしてくれる 怪我でもしたらぶち殺すで』ってのもなかなか捨てがたいがw まるで極妻のような凄みが感じられる志麻さんでした。 軽くストーリー総括 治兵衛(中村吉右衛門)は妻子があるにも関わらず、遊女小春(岩下志麻)にぞっこん。しかし世の中のしがらみで二人は一緒になることが出来ない。それならばと二人は心中を決意した。しかしそれを察した治兵衛の妻おさん(岩下志麻)に夫を道連れにしないでくれと懇願され、小春(岩下志麻)は女の義理から了承し治兵衛に金のため騙していたと打ち明け二人は別れる。その後小春は太兵衛(小松方正)に身請けされたが、それを知ったおさんは小春が死ぬつもりであることを悟り、治兵衛に身請けするよう説得する。そんな時にそのことを知ったおさんの父五左衛門(加藤嘉)に反対されその話はお流れ。おさんとも離縁させられてしまう。追い詰まった治兵衛は小春の元へと行き二人は心中への逃避行。明け方二人はおさんへの義理を通して別々に心中していったのであった・・・終 これだけだとおさんの出番が微妙だけど、総出演ではおさんのほう多かったんじゃないかな・・・。最初小春からおさんになった瞬間はうわっ!(w)ってなったけどあっち(お歯黒・眉無・ノーメイク?)の岩下志麻もなかなか良かった。ほんと凄い女優さんです。ほぼ触れてない中村吉右衛門については・・・、岩下志麻にしか目がいかなかったのってことでご勘弁w うる星やつらの面堂の黒子がリアルに居たらこんな感じでいるんだろうなぁ~という映画ですw 昔の映画見慣れない人にはちょっときついかもしれないけど個人的にはお勧め出来る傑作に仕上がってると思います! 特に岩下志麻ファンなら見ておくべき作品。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.10.06 05:11:24
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