176514 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

吉田なさこう

吉田なさこう

Favorite Blog

^-^◆ 目は口ほどに… New! 和活喜さん

湘南スタイル 湘南デリバリーさん

フルーツカフェ風 … 柚子と苺ママさん
世のパパ達よ針を持… ソーイングパパさん

Comments

chariza@ Re:10年☆(06/08) お久しぶりです~。 もう先月のことなの…
小山千鶴@ おめでとうございます\(≧▽≦)/ 凄い! 3500gを超えているんですね…
*☆*:;miyabi*☆*:;@ こんにちは。 お久しぶりです。久しぶりにブログにきた…
姥3@ おめでとう~~~~!!! 大変ご無沙汰してますよ~~! まこと…

Freepage List

着たい服


今までに作ったもの


助産院のススメ


1.助産院を選んだわけ


2.初めての助産院


3.2度目のマタニティーライフ


4.助産院派 OR 病院派


今月のオススメ本 バックナンバー


ママへ100の質問


小説 once 第一章(九州編)


once 1 俺達の今


once 2 私の旅立ち


once 3 破壊の衝動


once 4 会いたい


once 5 始まる運命


once 6 最低な晴天


once 7 二人の過去(1)


once 8 二人の過去(2)


once 9 二人の過去(3)


once 10 終わりとそれから


once 11 10年後のデート


once 12 どん底の思い出


once 13 27歳のお姫様


once 14 夕焼けの観覧車


once 15 不実な男


once 16 流れ星のピアス


once 17 妖艶な策士


once 18 10年の距離


once 19 航空券


once 20 知られた秘密


once 21 秘められた過去(1)


once 22 秘められた過去(2)


once 23 秘められた過去(3)


once 24 秘められた過去(4)


once 25 秘められた過去(5)


once 26 秘められた過去(6)


once 27 掴んだ手


once 28 願掛け


once 29 昨夜の記憶


once 30 抱けない女性


once 31 三日月と涙


once 32 先輩は先輩


once 33 伝わる気持ち


once 34 痛む心


once 35 巨大な屋敷


once 36 朝子の告白


once 37 有芯の告白


once 38 大木宏信


once 39 傘の人


once 40 不良たちの誘惑


once 41 たった一人の救世主


once 42 感謝表明


once 43 堰を切った思い


once 44 太陽のような彼女


once 45 惹かれ合う宿命


once 46 坂道


once 47 さよなら


once 48 素直な唇


onse 49 忘れるために


once 50 悲しい顔


once 51 傷つける瞳


once 52 こんなに愛してる


once 53 本当のキス


once 54 愛に満たされて


once 55 Body language


once 56 空腹


once 57 幸せな笑顔


once 58 疑惑の視線


once 59 嫉妬、悲涙


once 60 暗くなりゆく道


once 61 今日という日


once 62 冷水


once 63 俺だけを愛して


once 64 失言


once 65 非情な電子音


once 66 別離の朝


once 67 決意


once 68 絶望と希望


once 69 泣き虫


once 70 キスマーク


once 71 奇跡


once 72 お前の責任


once 73 再会


once 74 祈り


once 75 雨


once 76 銃声


once 77 Love is over


野口嘉則 「鏡の法則」


小説once あらすじ


小説once第二章(北陸編)


2-1 タンポポ


2-2 プレゼント


2-3 半年


2-4 着信


2-5 初恋


2-6 苦渋


2-7 悲しみの旋律


2-8 後輩


2-9 自嘲


2-10 前に


2-11 SOUP


2-12 解雇


2-13 元カノと煙草


2-14 優しくする理由


2-15 顔


2-16 思い出


2-17 SevenStars


2-18 ブレスレット


2-19 川面


2-20 斜陽


2-21 言葉にならない悲鳴


2-22 今、ここで


2-23 影


2-24 不安定


2-25 昨日までの世界


2-26 夏祭り


2-27 最初の花火が上がる時


2-28 捨て台詞


2-29 鏡


2-30 人攫い


2-31 先輩として


2-32 後輩として、男として


2-33 闇の中から


2-34 腕輪


2-35 希望の光


2-36 一つの別れ


2-37 地獄に落ちても


2-38 切れ切れになった希望


2-39 決別


2-40 見えない壁


2-41 辻褄合わせ


2-42 篤の怒り


2-43 破綻する心


2-44 どうしても好き


2-45 鋭い眼光


2-46 たった一人


2-47 クロゼット


2-48 くろぽんとお星様


2-49 いちひとの変化


2-50 守りたい人


2-51 抗議の声


2-52 灯台、下暗し


2-53 手当て


2-54 いいわけない


2-55 突然の告白


2-56 同じ絶望


2-57 心理戦、逃走


2-58 思わぬ誤算


2-59 非常事態


2-60 ショートした理性


2-61 嘘つき


2-62 すれ違う想い


2-63 ありがとう、先輩


2-64 終わり


2-65 愛さない


2-66 掴むべきもの


2-67 最後の笑顔


2-68 子離れと彼女


2-69 元カノと人妻


2-70 完全敗北


2-71 塵


2-72 旅立ち前


2-73 全てを掛けて


2-74 振り返らない


小説once


小説once第三章(長野編)


3-1 離婚届


3-2 海のお星様


3-3 昼下がりのリビング


3-4 突然の電話


3-5 遠い太陽


3-6 ケンサヤク


3-7 対立


3-8 先輩の親友


3-9 言ってくれ


3-10 幸せになどできない


3-11 悪人面の王子様


3-12 悲しい思い出


3-13 たとえ話


3-14 篤の企て


3-15 背徳の夜、決意


3-16 おまじない


3-17 新たな危機


3-18 花


3-19 あなたのことを


3-20 溜め息


3-21 厄日


3-22 災厄の果てに差す光


3-23 疑惑


3-24 母の祈り


3-25 最後のお願い


3-26 必然


3-27 温かみ


3-28 妙な組み合わせ


3-29 健二郎の誘い


3-30 ノンストップトーキングドライブ


3-31 『運命』


2006.12.14
XML
カテゴリ:小説[once]
最初から&途中からははこちら (第二章を追加しました)


***66*** 

気付くと、朝子は自宅の玄関に帰り着いていた。心ここにあらずの状態で歩いてきた彼女は、もう自分がどうやってあのホテルから帰ってきたのかも覚えていなかった。

一人になったと悟った途端、朝子は玄関に倒れた。フローリングの床が頬に当たり、冷たいはずなのに何も感じられない。

有芯は行ってしまった。

私と離れ、私を忘れ、歩くことを選んだ。

当然ね。いつまでもこんな優柔不断な人妻を好きでなんていてくれるわけがない・・・!

ミシミシって音が聞こえる。・・・心が割れる音がする。血も流れない。乾いた心。

有芯と抱き合ったとき・・・余計なことは何も考えられなかった。

ただ、彼が欲しかった。愛しかった。それだけ。

私は思い知らされたんだ。自分の持論が間違っていたことを。

子供のためならなんだって犠牲にできると思ってた。でもそれは違った。有芯に初めて身体を許した時も、昨夜抱かれた時だって、いちひとのことなんて思い出しもしなかった。

やっぱりどうしたって私は有芯を愛してる。いちひとはもちろん大切だけど、それでも私は、彼を忘れるなんてできない。

ごめん、いちひと。あなたのパパは大好きよ。でも、有芯を想う気持ちとその感情は、明らかに違う―――。

朝子は何をすればいいのかもわからないまま起き上がり、リビングに入った。ふと鏡が目に入ったので見ると、我ながらひどい顔だと思い、朝子は笑った。しかしうまく笑うことができず、すでに頬にくっきりとついている涙の跡の上をまた涙が流れた。

“俺を捨てて選んだ家族だろ。もっと自分を大事にしろよ”

『家族』? 家族・・・・・。

朝子は有芯の言葉に誘導されるように、携帯を手に取った。篤といちひとが家族なら―――お腹の子だって、家族だもの。これからみんなで、家族になるんだもの・・・。

有芯のように愛せなくても、篤が子供達の―――お腹の子の父親になってくれるなら・・・。

鼓動が高まり苦しくなる胸を押さえながら、朝子は篤に電話をかけた。

「・・・もしもし!?」篤は不機嫌そうだ。

彼はただでさえ仕事中に電話されることを嫌う。そのうえ今は出張中で、慣れない職場で奔走しているのだ、イライラしないわけがない。

朝子は篤の態度に怯み、しばらく言葉に詰まってしまった。篤が怒ったように聞いてくる。

「もしもし?! ママ?! 何なの?」

「あのね、友達のお母さんなんだけど・・・。旦那さんとは違う男性の子供を妊娠したらしいの」

言いながら朝子は情けなさのあまり死にたくなった。私・・・何やってるんだろう?!

篤は面倒くさそうに言った。「は? それって遠藤さん? 向かいの」

篤はイラつくとすぐに向かいの遠藤さんの話を持ち出す。朝子は内心うんざりしながら答えた。

「違うわよ。・・・あなたの知らない人。中学の同級生なの」

朝子の言葉に、篤はイライラした口調で答えた。「じゃあ別に俺には関係ないじゃない」

「あなたはそうかもしれないけど、私はそうもいかないの。ねぇ、あなたが旦那さんだったら、どうすると思う?」

篤は相変わらずイライラした口調で、当然のように「俺なら腹の子を始末するな」と即答し、「ねぇ、用はそれだけ? 俺今本当に忙しいんだ。話なら帰ってから聞くから。切るよ!」

そして、電話は切れた。

動かない朝子を取り巻く空間で、しばらく時間が止まったかのようだった。

ただ携帯のツーツーという音と、時計が時を刻むチッチッという音だけが、彼女のいる部屋で時が進行していることを告げていた。

「嘘よ・・・・・」

朝子は床に崩れるように座った。携帯が手から滑り落ちたが、次にその手に掴むべきものが朝子には思いつかなかった。

「あなたが帰ってから話なんて・・・・・聞いてくれたこと、ないじゃない・・・・・」

呟きながら、朝子ははっきりと悟った。

みんなごめん。やっぱりもう・・・ここにはいられない。






↓↓クリックでランキングが上がります。応援していただけると励みになります!!(何もかもうまくやろうとか どれ一つなくさずにおこうとか 思う僕には何もできない)←ELLEGARDEN ロストワールド

人気ブログランキング


↓↓こちらもお願いいたします(人´∀`).☆.。.:*・°

くつろぐバナー






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.12.14 08:57:42
コメント(4) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X