|
テーマ:短編小説(5)
カテゴリ:創作
NHKで放送事故が起きた。 某昼の番組中、ある一人の一般男性にマイクを向けたところ、突然番組の趣旨と全く関係のないことを喚き散らし、番組スタッフに殴りかかり、ものの数秒で全員路上に倒れ込んで、カメラマンも転倒し、画面が空を写したまま静止したところで場面がスタジオに戻り、しかし某一般男性の声だけは普通に聞こえ、その内容をよくよく聞くとかの元理事のことと理解でき、ゆえに出演者全員目を丸くして固くなっている映像が10秒は続き、スタジオ内で怒号のようなものが聞こえたところで画面がカラーバーに切り替わった、という内容のものである。 5分程してようやく番組は再開。スタジオいる司会役の若い女子アナが神妙な面持ちで、番組の映像が乱れたことを視聴者に謝罪。「さて、」と一拍落ち着き装い笑顔に戻ったところで、ゲストのお笑い芸人のフォローが入り、次のコーナーへと進行を始め、番組は滞りなく進んでいった。 しかし同時間、ネットやSNS界隈では件が一瞬でバズり、映像と音声、そして文字化された某一般男性の主張は一瞬にして拡散。まずはXで、そしてYouTubeや色んな投稿サイトにアップされ、NHKを視聴していない人達にも知れ渡っていく。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 6, 2024 06:01:56 AM
コメント(0) | コメントを書く
[創作] カテゴリの最新記事
|