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(単独行なんてけっして楽しいことではない)
加藤はそういってやりたかった。苦しいことのほうが多いのだ。その苦しみに比較して得られるものはなにもないのだ。あの山を登ったという、自己満足以外にはなにもないのだと教えてやりたかった。 (略) 「山はひとりで歩くものではない」 (略) 「でも、加藤さんは-」 「おれは、ひとりでしか山を歩けない男なんだ。だからひとりで歩く、単独行なんか、いわば山における異端者のようなものだ。おれは、いまだって、適当な人があれば一緒に山へ行きたいと思っている」 (第二章 展望より) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.04 18:22:24
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