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ジャコ・パストリアスのアルバムで、彼の生前に発売されたまともな録音というのは非常に少ない。だ
から、あまり勢いあまってアルバムを取上げてしまうと、直ぐにネタがきれてしまうので、ずっと小出 しにしているのだが、今日は3枚目の紹介をすることにする。 今日は、前に取上げたウェイン・ショーターのアルバムを聴いているのだけれど、ショーターを聴いて いたら無性にジャコが聴きたくなった。 アルバムのタイトルの『ワード・オブ・マウス』というのは、後にジャコが組んだビッグバンドの名前 であるが、このアルバムはぜんぜんビッグバンドの音楽ではなく、スタジオに一人一人参加ミュージシャ ンを呼び、ジャコのベースラインの上に一人ずつ重ね録りをしていったというアルバムである。このた め、ジャコ以外完成するまでどのようなアルバムになるのか誰も分からなかったということだが、逆に いえば、このアルバムはジャコ以外のなにものでもない、ジャコそのものを映し出したアルバムである ということができるのではないかと思う。 そこで、内容であるが、実にすばらしいもので、ジャコが単なるいちベーシストではなく、本当の意味 でのトータルなミュージシャンであったということが分かる作品である。取上げている曲目もバッハか らビートルズにオリジナルと本当に幅広く、ジャコがジャズにとらわれることなく、本当に自由に音楽 に対峙していたことが分かるようになっている。 というように、偉そうにいろいろ書くわけであるが、実をいうとそんなことはどうでも良いのである。 まず、3曲目の『スリー・ヴューズ・オブ・ア・シークレット』を聴いて欲しい。本当にキレイな曲で心 からうれしくなる。この曲は恐らくジャコの書いた最もキレイなバラードで、本当にいい曲。ジャコと いえば、晩年のドラッグでぼろぼろになり、バーの用心棒に殴り殺されたという破滅的なイメージが強 く、一種の変人的な扱いをされることが多いけれども、伝記を読むと本当は非常にやさしい心の持ち主 であったという。僕は正直言ってジャコを冷静に語れる立場にはないのだけれど、この曲を聴くと、そ の話は絶対に嘘ではないということを確信する。こんなキレイな曲心がキレイな人じゃないと絶対に書 くことは出来ないと思う。 もうひとつ好きな曲は最後の『ジョン&メリー』。ジャコには双子の子供がいたが、彼がその子供達に ささげた曲である。この曲はやさしい雰囲気をたたえた曲で、ジャコの子供達への愛を何か感じでしま う。聴いていて心温まる本当に好きな曲である。 1枚目のソロアルバムは、ジャコのベーシストとしての凄さを余すところなくとらえたアルバムであるが、 この2枚目のアルバムはジャコの音楽家として、人間としての全てが詰め込まれたのもであると思う。大 好きなジャコの全てが聴けるアルバム。すばらしい!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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