名盤と言われるものは数多くあれど、これほどロックのエッセンスがギュッと詰まったアルバムを私は知らない。
「THERE SHE GOES」ばかりがクローズアップされがちだけど、なかなかどうして他の曲も聴き応え充分なのだ。
60年代のマージービート、ストーンズやフー、ビートルズが持っていた哀愁メロディーがチラッと顔を覗かせるところがクラッときてしまう。
1990年にリリースされたアルバムにしては、当時流行のマンチェスターサウンドでもなければハウス系ではないところがむしろ新鮮に聞こえる。
ギターポップというほどのきらめきポップでもないし、ネオアコと呼ぶほどのアコースティックサウンドでもない。むしろ60年代復古メロディー。どこか懐かしさを感じてしまって、ホロッとしてしまう。「WHO KNOWS」という曲なんかね、特に。
「MAN I’M ONLY HUMAN」という曲もフォーク調なんだけど、ちょっぴりサイケっぽい味、シンセらしき音がさざ波のように聞こえてくる。とても神秘的。
「THERE SHE GOES」は別格、耳に残る究極メロディーですね。こんなのライブで歌われたら、客席総立ちの全員♪There she goes There she goes again♪の大合唱でしょう。アルバムの中にはシングルヴァージョンとアルバムヴァージョンが収められています。どこがどう違うのか良くは分からない。強いて言えばオリジナルシングルヴァージョンのほうが音が鮮明なような気がしないでもない。どっちも良いという事ですね。
【SIXPENCE NONE THE RICHER】というアメリカのバンドもカバーしていてこちらは、キュートなポップチューンに仕上がっていますね。(昨年の5月20日の日記参照)
日本だったら、【スピッツ】あたりがやるとピッタリはまりそうな気がする。
ビート色の強い「I CAN’T SLEEP」もいかしている。フーの「アイ・キャント・エクスプレイン」を意識しているような曲。
「TIMELESS MELODY」これも、カッコイイ。シャカシャカリズムが心地よい。
「LIBERTY SHIP」これもコーラスがフーを連想する。
「DOLEDRUM」はストーンズ風、「ラストタイム」を思い起こすなぁ。
「FEELIN’」はギターがビートルズの「浮気娘」ぽい。
とまぁ、このアルバムが素晴らしい事は、ほとんどの皆さんは聴いて知っているだろうと思います。改めて書くほどでもないかもしれません。
こんな素晴らしいバンドがたった一枚のアルバムで解散してしまったという事実を惜しみましょう。いやーホントに名盤ですね。60年代好きは涙ものですよ。
(ギターポップ度は★かも知れないけど、感激度、驚き度は★★★です)