ああ、それは小学校2年生の時だった。クラスメートのK子さん、憧れの人だった。優しくておとなしい感じの人だと記憶しています。頭も良かったのでクラスでも人気がありました。彼女の家も歩いて5分と近く、遊ぼうと誘われたときはドキドキしたなぁ。「こんな自分でいいのだろうか」などと思ってしまいました。
《初恋》
♪胸をつく想いは絶えず絶えず絶えず
あたしはこれからもきっとあなたに焦がれる
それはささいな出来事指が触れた時
深く想う強く想うあなたの事が好き
あたしは今日も気付かれない様にあなたの歩幅ついてゆく
これ以上もう2人に距離が出来ない様に♪
彼女の家は木造の一軒家だった。けして裕福な家ではなくて、お母さんがいないという事を初めてここで知りました。貧しいから人に優しくできるんだなとその時子供心に思ったものです。
彼女が言った事で今も印象に強く残っている言葉。
「ねぇ、私さぁ、給食なんだけど食パン3枚も食べられないから、いつも1枚家に持って帰ってきてるのよ。」
驚いたと同時に、彼女の秘密を自分だけが知ってしまったという、なんともいえない優越感に浸ってしまいました。
なぜなら当時の担任の先生はとても厳しくて、給食のおかず全部と食パン3枚食べないと食べ終わるまで許してくれなかったから、昼休み泣き泣き嫌いなおかずがある給食を食べていた子もいました。私も見せしめに残らせられて食べるのが嫌だったので当時嫌いなピーマンや人参を必至に食べていました。彼女はちゃっかり先生の目を盗んで、パン1枚隠していたのだ。頭のよい子は要領がいいなと思ったのでした。
秘密を私に教えてくれた彼女はもしかして、自分の事が好きなんじゃないかなどとも思ってしまいました。しかも遊びに誘ってくれたのだし……
それは本当だったのか、誤解だったのか分からないまま終わってしまった。なぜなら3年生になったときクラス替えして、離ればなれになってしまったから。でもaikoのこの歌にあるように、羨望の眼差しでいつも大好きな彼女の事を見ていました。彼女との距離はけして縮まなかったけど、離れないように想い続けていました。
《ロージー》
♪こんなに熱くなった心"ぎゅう"っとしぼって
もっと近くに寄っていたいだけで
一か八かのゲームみたいなこの道を
寄り添って今はただ歩いてみたい
そんな気持ちよ
遠くからじっとこらえて見つめているようじゃ
幸せもきっと逃げてゆくわ
だからあたしはあなたに言ったのよ
生まれた時からずっとあなたに抱きしめて欲しかったの
ずっとずっといつだって今も抱きしめて欲しい♪
この想いは小学校卒業まで続きました。それから中学生になる前に彼女はどこか遠くに引っ越ししてしまいました。
aikoの『有楽町で逢いましょう』はDVDのライブ映像です。ピアノの弾き語りでのバラード曲なんか、とても良いです。「カブトムシ」とか「夏服」とか。キュンとしちゃうなぁ、うーんaikoみたいな彼女が欲しかった。小柄でポチャとして可愛いな。ハッキリ言って僕の趣味です。(笑)
aikoの『有楽町で逢いましょう』と初恋の淡い思い出でした。