70年代から80年代にかけてアメリカン・プログレだとかアメリカン・ハード・プログレと言った呼び方で人気を博した【
カンサス】。
音の方は、ブリティッシュ・プログレッシヴへのコンプレックスと言いましょうか、【
ピーター・ガブリエル】在籍時代の【
ジェネシス】に似通っている。特にオルガンの響きがそうだ。
ヴォーカルはブリティッシュ臭さはなくてアメリカンそのもの。繊細さとか文学的な側面とかは感じない。
アメリカのバンドのお目出度さというか限界なのかなぁという思いはしてしまいます。
ちょっと突っ込みが足りないんじゃないの?などと……
でも
軽く聞き流せるプログレもどきのサウンドとしてはとても楽しめます。この当時のアメリカでは癖の強いブリティッシュ・プログレバンドはアメリカでは人気が無かったでしょ!?
カンサスのプログレへのアプローチはごちゃついた所がなくて、完結に整理されていて聴きやすいのです。
「DUST IN THE WIND」(すべては風の中に)はプログレと言うよりは、ポップソングの小品としても名曲だと思う。アコースティック・ギターのアルペジオがね【
レッド・ツェッペリン】の「天国への階段」を思わせます。
「NOBADY’S HOME」もドラマチックな出だしだけ聴くとジェネシスだと思っちゃうけど、ヴォーカルが出てくるとずっこけます。健康的と言いましょうか。毒がない。
いやね別にカンサスを馬鹿にしているわけではなくて、こういうプログレサウンドも面白いし、
オリジナルなアメリカのロックとして確立していった重要作として評価しているのです。
使用している楽器はシンセサイザーやメロトロンに頼ることなく、ヴァイオリン、ヴィオラ、クラビネット、チェロ、ティンパニとアコースティックで、クラシカルだなぁと思います。これも評価に値します。
プログレと産業ロックへの中間的な位置づけとしても聴ける興味深いアルバムだなぁと思うのであります。
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