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2009.03.06
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コヘレトの言葉


ジーザス・セーブス「イエス様が守ってくれる」Jesus Savesイエス様が守ってくれる 

 

「主の時は美しい」
 コヘレトの言葉 / 3章 1~14節(新共同訳)
1:何事にも時があり/天の下の出来事にはすべて定められた時がある。 
2:生まれる時、死ぬ時/植える時、植えたものを抜く時 
3:殺す時、癒す時/破壊する時、建てる時 
4:泣く時、笑う時/嘆く時、踊る時 
5:石を放つ時、石を集める時/抱擁の時、抱擁を遠ざける時 
6:求める時、失う時/保つ時、放つ時 
7:裂く時、縫う時/黙する時、語る時 
8:愛する時、憎む時/戦いの時、平和の時。 
9:人が労苦してみたところで何になろう。 
10:わたしは、神が人の子らにお与えになった務めを見極めた。 
11:神はすべてを時宜にかなうように造り、また、永遠を思う心を人に与えられる。
  それでもなお、神のなさる業を始めから終りまで見極めることは許されていない。 
12:わたしは知った/人間にとって最も幸福なのは/喜び楽しんで一生を送ることだ、と 
13:人だれもが飲み食いし/その労苦によって満足するのは/神の賜物だ、と。 
14:わたしは知った/すべて神の業は永遠に不変であり/付け加えることも除くことも許
  されない、と。神は人間が神を畏れ敬うように定められた。
*** 
et-ha-kol a-sa ya-fe ve-i-to gam et-ha-o-lam
エトハコール アサ ヤーフェ ヴェリト ガム エトハオーラム
「神のなさることは、すべて時にかなって美しい」

賛美歌「主の時は美しい」エゼキエル北島氏
http://on-the-river.net/kashi/shuno_tokiwa.html
**
「コヘレトの言葉 」をあまり聞いたことがない方も多いと思います。この書は、以前は「伝
道の書」と訳されていました。コヘレトという言葉は、「召集する」という意味のヘブライ語
の動詞「カーハール」の分詞・女性形です。分詞の女性形は職務を意味することが多い
ので、「召集する者」という意味になり、そこから伝道者の言葉、伝道の書と呼ばれたも
のと思います。
 ユダヤの伝説によれば、詩篇の多くはダビデ王の作とされ、箴言とコヘレトと雅歌はソ
ロモン王の作とされてます。そこから考えると、コヘレトはソロモンの作品と考えられます
が、ソロモン王の時代にこの書のような内容(懐疑主義、悲観主義)があったことは確認
されてません。このような内容はヘレニズム時代、前2世紀後半にもっとも多かったとされ
ます。おそらく、伝説的なソロモン王にささげられた知恵文学のひとつと考えられます。
 コヘレトの特徴は、人生の無常と虚無を強調する点にあります。コヘレトは冒頭から、
「空」という言葉が多く出てきます。原典のヘブライ語では「へベル」という名詞で、「蒸気」
とか「気息」という意味です。それが転じて実体のないはかない現象を意味してます。
 新共同訳では、実体のないはかなさを表現しようとして「空しい」と形容詞に訳されてい
るようです。「空」ということばは、日本人には馴染み深いものです。仏教の経典の「般若
心教」には「色即是空。空即是色」という一節があります。この「空」という言葉は、無とは
異なります。単なる無ではなく、現象はあるが実体性がないことを意味してます。実体性
を欠くものは常に変化しているのであり、無常であるというわけです。世界を「空」ととらえ
ることによって、はじめて無常と変化の現実を理解できるというのです。だから、無常の現
実に虚無的に対応するのでなく、その現実にふさわしく、適切に対応せよ、というわけで
す。この仏教の「空」の思想は、コヘレトの思想とほとんど同じで、翻訳的にはこれ以上適
切な言葉はないと思います。
 こう考えていくと本来的には、仏教にも(キリスト教も)空しいとかいうニヒルな(虚無的)
考え方がないことがわかります。

 空であるとはすべてのことに変化があることをしることです。1節から8節にはその例
があげられてます。生に執着したり、死を恐れることや、生をいやしんで死をもとめるこ
とは賢者の態度でない。戦争、破壊、憎しみといったマイナスのことも平和、建設、愛と
と対をなしているのであり、人間の願望により一方だけを持続しようとしないことだと、コヘレトはいいます。コヘレトの時代の厳しい状況が反映しているのでしょう。
「人が労苦してみたところで何になろう。  わたしは、神が人の子らにお与えになった務
めを見極めた」
  この辺には、コヘレトの作者の経験が反映しています。この作者は大事業を起こし、
宮廷を建築し、庭園を整え、男女の奴隷をたくさん所有して、金銀や宝を多く持ったが、
そこから得た分け前は、費やした労苦のほか何もなかったと既に書いてます(2:1-10)
作者は一見、労苦に対して否定的ですが、結局、振り返ると労苦、労動が神に与えられた務めであったといっているわけです。そうは言え、今日に比べ、労働に対する評価が
少しネガティブかもしれません。それは奴隷制と関係しています。しかし、創世記3章19
節には 「お前は顔に汗を流してパンを得る/土に返るときまで」という神の命令がありま
す。

「何事にも時があり/天の下の出来事にはすべて定められた時がある」。 
「私たちはしばしば、物事が自分の思い通りに行かないことを経験します。また、不意
に思いがけない出来事が自分の身に起こるのではないかと心配をすることもあります。
あるいは、どんなに祈っても祈りが聞かれないように感じることもあります。それは私た
ちが自分の時間表で物事を判断しているからです。自分だけで計画する場合はそれで
よいのですが、神の助けを求めているときには神の時間表に従わなくてはなりません。」

「私たちが神のご計画の中に自分の場所をおいていれば、時間の流れがどんなに速く
ても何の恐れもなくなります。私たちが神のご計画の中にとどまり、その目的に沿った
時間を過ごしているという確信を持っているなら自然に恐れや心配は消えていきます。」

et-ha-kol a-sa ya-fe ve-i-to gam et-ha-o-lam
エ:トハコール アサ ヤーフェ ヴェリト ガム エトハオーラム
「神のなさることは、すべて時にかなって美しい」(口語訳)
「神はすべてを時宜にかなうように造り」(新共同訳)

「神のなさることはすべて時にかなっています。私たちはそれを見極めることができま
せんが、神は初めから終わりまで完全に理解しておられるのです。ですから、神のご
計画に任せてそのご計画に乗っていくことが最善なのです。」

「わたしは知った/人間にとって最も幸福なのは/喜び楽しんで一生を送ることだ、と」
「人だれもが飲み食いし/その労苦によって満足するのは/神の賜物だ、と。」 
これらは2:24の言葉を徹底化しています。
「人間にとって最も良いのは、飲み食いし/自分の労苦によって魂を満足させること。
しかし、それも、わたしの見たところでは/神の手からいただくもの」(2:24)
 ヘブライ語では「飲み食い」というのは「快楽のために肉体を刺激すること」でなく、
健康な生活をすることを「飲み食いする」というようです。当時のパレスチナにおい
て肉体を刺激するような飲食をすることはほとんどの人が出来なかったことは、歴史
が示しています。人類の歴史は近代に至るまで飢餓の歴史だったのです。
 最近、健康食やロハスな生活というのが流行っているようですが、そういったこと
をさすのではないかと思われます。
 自分で働いた賃金で、「飲み食い」することができるのは神の賜物なのです。
美味しく「飲み食い」することが、当たり前のことでないことはお読みになっている
皆さんもお分かりと思います。
「わたしは知った/すべて神の業は永遠に不変であり/付け加えることも除くことも
許されない、と。神は人間が神を畏れ敬うように定められた。」
 すべてのことに定められた時、神の計画があることを理解できれば、時間の移り変
わりを受け入れた上で、神の業は永遠に不変であり、過不足はないことが納得できる
し、神を怖れ敬うことができるというわけです。
 ポジティブな意味で「すべては神の思し召し」ということを言っているように思え
ます。
 このことは「現状をシビアに、だがネガティブに取らない」(マフィーの黄金律)
という現代の知恵とも矛盾しないと思います。コヘレトは現状把握においては、一見
悲観的ですが、それに対する態度としては非常にポジティブなのではと思います。
 
参考・引用サイト
http://members.jcom.home.ne.jp/rh-pkf/message2k310.htm
原典&朗読
http://www.mechon-mamre.org/p/pt/pt0.htm
コヘレトはEcclesiastesで引いてください。
原典
http://www.levsoftware.com/verses.htm
事典
http://bible.crosswalk.com/Lexicons/
参考文献
「新共同訳旧約聖書略解」日本基督教団出版局、2005年。
「旧約聖書略解」日本基督教団出版局、1957年。






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最終更新日  2009.03.08 01:58:46
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