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君の世界が終わるまで

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2006.11.23
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テーマ:『BLEACH』(615)
カテゴリ:BLEACH-妄想-
先日のカラオケ行った~って日記でglobeの「Perfume of love」で白一妄想をしたい~vって叫んだンですが、ついにやっちまいました★
結構シリアスな作りになってしまいまして、白一に行く前が長すぎるというモノが出来てしまいましたw
タイトルに白一護×一護とありますが全くカップリング的なところはありません。
あと白一に関しては悲恋になってますのでラブラブ甘甘じゃなきゃ嫌ー!って方は見ない方がいいかもです(^^;
っと言ってもそこまで壮大でもないし。
誰かの心を揺さぶるようなお話を書けたらなぁ・・と思いながら書いてみたのですが・・ダメ?
2部構成になってる感じなのでちょっと長いですが、興味があったら読んでみて下さい(^-^)




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【記憶の眠り】白一護×一護

空が青く、雲一つない。
まるで自分の心の反面鏡のようで、俺は舌を打ち鳴らした。
ある時から広がる俺の心の”もや”が今では全てを覆い尽くしている。
そう、俺がもう一人の俺に飲み込まれそうになった時のように。









空座町に平和が訪れてから早2年。
破面共との戦いが終わった直後は虚圏崩壊のせいか現世に虚が出現することも少なく死神化する機会が激減していた。
当然、虚化することもなく、全力で戦うこともないため斬月のオッサンと会話することもなく、ただいつも通りの日常を取り戻していた。
尸魂界からは時折死神が遊びにやってきて、そこが以前と違うと言えば違うことだったけど、共に死線を乗り越えてきた仲間だしやっぱりいつも通りだな、なんて思ってた。
死神が見えて、虚とか言う化け物と戦うことが日常なんて普通あり得ないことだけど、ルキアと出会ってからはそれが当たり前になっていて。
だから俺はこんな生活がずっと続くもんだと思ってた、もともと霊力が高かったわけだし死神の力が消えるって事はないだろうって、思ってた。
でも、久しぶりに俺の頭の中に話しかけてきたアイツの言葉に、俺は何故だか信じられないくらい、無性に、悲しくなった。

「俺はもう時期お前の中から消えるゼ、王よ。」

いつの間にかアイツの世界に呼び寄せられていて、俺と同じ顔の白い死覇装を纏ったアイツがそう言った。
驚きに反射的にアイツを見ると、楽しそうに嗤っている。

「どうした?嬉しくねぇのかよ。お前はいつだって俺を消したがってたじゃねぇか。もっと嬉しそうな顔をしろよ。」

そうだ。
俺はいつも俺に成り代わろうとするコイツを消したかった。
俺の中にいて、俺を侵食していくコイツを。
コイツに勝る力を得て抑えて何とかコイツの力を捻じ伏せて来た。
弱くなっちまえば、またコイツは侵食していくンじゃねぇかと思って早く消えてもらいたかった。
けど、いざ消えると知ると心が痛むのは何でだ?

「んな傷ついた顔すンな。俺はお前の中から消える。お前は俺に脅えずに済む。そうだろう?」

傷ついてる・・・そうなのか?
俺は、コイツが俺の中から消えることを傷ついてるのか?

「・・・・・ざ、斬月のオッサンも、消えるのか?」
「言ったろう?”俺”も斬月だってな・・・。」

それを聞いて俺はコイツが消える本当の意味を知った。
斬月のオッサンが消えること、それは俺の持つ斬魄刀の能力が消えると言うこと。
つまりは・・・・・

「お前も気づいてるはずだゼ?自分の力が徐々に衰えてきていることをな。」

最近は死神化する機会が減っていたから気づかなかった。
いや、気づかないようにしていたのかもしれねぇ。
死神の力を失ってしまうという事実を知りたくなくて。

「お前は極端に力を放出し過ぎたんだ。本来は目覚めるはずのない死神の力が強制的に引き出され、酷使し、消耗した。死神の力も無限じゃねぇ、霊力には限りがあるって散々戦ってきたンだから分かってるだろ?」

徐々に、風に靡く白い死覇装の裾がバラバラに分解され、消えていく。

「俺が消えてもまだ暫くは霊力は残るはずだから今までのように霊を見ることはあるだろうけどな、死神にはもうなれねぇ。覚えておけ。」

自分の心の中から何かが徐々に消えていく感じがする。
それは向かい合っているはずのコイツが消えているってことなのか?

「霊力を失うと同時にお前は今までの死神に関わる記憶を徐々に失くしていくだろう。だが忘れるな一護。」

もう既に、手が消え腕が分解されている。
右半身が消えていく。

「お前の死神の力が心の奥底に潜在的に眠っていたように、記憶も心の奥底に眠っていくだけだ。生涯、お前と共にその記憶は在る。」

そう言ったアイツの口が消え、颯爽と吹いた風が全てを消し去った。

「なかなか楽しかったゼ、王よ・・いや、一護。」

空を仰ぎ見る俺の耳に、最後のアイツの言葉が届いた。
忌まわしかったはずの存在が消える。
それが何でこんなに悲しい気持ちにさせるンだろう。
久しぶりの死覇装を着ている俺の背中から、いつも感じていた重みがなくなった。
斬魄刀が、消えている。
斬月のオッサンも、消えたンだ。
いつも感じていた存在が、いつも一緒にいた存在が、消えた。
俺は漸く理解した。

「アイツは、斬月だったンだな・・・。」

ずっと言っていたアイツの言葉。
アイツは俺だと思っていたし、斬月は斬魄刀の心なのだと思ってたけど、
斬魄刀は、斬月のオッサンは俺の半身で、アイツも俺の半身だったンだ。
俺に力を貸してくれた半身。

「有難うな、俺も楽しかったゼ・・・相棒。」

そうして、俺の中からゆっくりと記憶が眠りについていった。






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Next→【記憶の香り】白哉×一護
※白哉視点Verも書きました。【記憶の香り】の最後にリンク貼ってあります。





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Last updated  2006.11.24 14:06:49
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