私の名はクリストフ
ローマの近くにリタという村がある、私はその地で貧しくパン屋を経営するアンドレアとマーサの子である、正確に言うとこの両親に育てられた、私が二十歳の時にアンドレアは盾に十字架のマークの入った銀の指輪をプレゼントしてくれた。私は拾われてきた子である、1歳の時に橋の下で泣いているのをアンドレアとマーサが見つけてくれた、その時、私の足の親指にはめてあったのがこの指輪である。リタの街は退廃しきっていた、というのも当時の皇帝レガシーが悪政の限りをつくし農民も、商人も、疲れ切っていたのだ。町には仕事のない男たち、その男たちからわずかなお金をもらおうとする娼婦たちであふれていた。私の名はアーサー、育ての親であるアンドレアとマーサから与えられた名前である。その私が町の不遇なものたちを集め悪政を敷くレガシー皇帝の軍を全滅ささるのはこの後3年後のことである。ともかく今はアンドレアからパンの作り方を習い、今では私の作ったパンを買いもとめてくれる村の人たちに助けられなんとか暮らしているというのが精いっぱいのお話だ。