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カテゴリ:スピリチュアル
今日も、前に読んで気に入った本を再度読み直していた。この本に関しては、大分前にも書いたことがある。 「人類は宗教に勝てるか」 なんとも過激な表題ではある。が、しかし、先般から書いている私の体験や思考錯誤(誤字ではありません。笑)と、本当に似ている。 副題は「一神教文明の終焉」となっているが、確かに「一神教」に対する疑問から出発していはいても、あるいは「一神教」に根本的に現れる問題を主題にしていても、だからと言って従来の多神教や特定のアニミズム的な宗教を推しているわけでもない。 言って見れば「無神教的コスモロジー」と著者が呼ぶ、宗教の超克である。 私のように、週に一回、教会へ通い、その時々の感想を書いているのとはわけば違って、筆者は比較宗教学の教授である。 非常に変わった生い立ちの人で、小学生の時にクリスチャン、中学に入ってからお寺に住み込み、30代半ばまで寺で過ごして僧侶としての日常を送り、その後、ふとしたきっかけでアメリカのハーバードでキリスト教神学を学び、プリンストン大学などで教授を務めたあと、シンガポールや日本の大学の教授をやられている方。 そして、その大学での勉強や、クリスチャンやイスラム教徒の人たちとの日常の接触を通して、多くの疑問を持つが、それらは私がここで書いてきた疑問とかなりの部分重なっている。 特に、聖書を読んで、あるいはクリスチャンの方の日常に関する疑問、そして、それに対するクリスチャンの方の解釈や考え方に満足できない点などは本当にそっくり同じ部分も多い。 しかし、違うのはここからで、さすがに「職業」として宗教を研究しているわけだから、その読書量も思索量も、私など足元にも及ばない。 そこから導かれる現在の「宗教」に関する考え方、宗教以外の人類の道、という点では非常に共通する部分が多い。 共通部分が多いにしても、私ではこういったものは、考えていても「書こう」と思ってもなかな書けるるものではないし、書いているそばから論旨がぶれてしまったり、書こうと思っている内容の何分の一も書けないのが普通だが、そういった部分を明快に文章にしてくれている。 私が漠然と感じ、漠然とこうではないか、と考えていたようなことも、豊富な資料とご自身の体験から、その思索を進めていく、その過程を書いてくれている。 この人にしても、自分のそういった思想遍歴、宗教遍歴のひとつの区切りとしてまとめとして書いた、と書かれているので、単なるまとめにすぎず、本当はもっともっと書きたいことはあるのだろうけれども、少なくとも要旨は書き留めているはず。 このような「書くことが難しい」内容を、他の人の書で形を与えられる、という経験はそうそう何度もあるものではないが、それだけに、そういう本に出合えると何か嬉しくなってしまう。 こういったことを考えていたのは自分ひとりではなく、ここにも、同じような疑問から出発して、同じような考えを持っている人がいるんだ、という感慨が湧いてくる。 そのような著者というか、本と言うのを、私の場合、3、4人持っている。自分が考えている事、疑問に思っていることを、より明確な形にする上で、こういった本たちは本当に参考になる。 ふと、参考文献を観てみると、やはり、私が読んできた本と共通するものが何冊もある。 問題意識が同じだと、読む本も似てくるのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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