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2017.10.18
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今走っている​工房コンサート​は、ベートーベン交響曲第九をシリーズ全3回にして行っている。昨日は第2回目「ピアノソナタの森へ」がタイトルだった。

二楽章と三楽章を、稲岡千架、末永匡、内藤晃の3人のピアニストがリスト編曲の2台ピアノ版を演奏し、多方面から楽曲を切開いた。同じく、ベートーベンソナタ第1番op.2を一楽章 内藤晃、二楽章 末永匡、三楽章 稲岡千架はそれぞれ演奏した。そのあと行われた、異なる声部の絡みを楽譜からどう読み解くか、実際彼らの間であったディスカッションの提示も興味深かった。

今回、音楽の聴き手、そして、ピアノ技術者として興味深かったポイントとして、以前も似たような試みが行われたことではあるが、2台のピアノの配置がなす音響的な効果第一に上げたい。

今回使用したピアノは、1920年代の製造と2017年製造の2台のベヒシュタインのフルコンサーピアノだった。透明感ある響き・敏感な抑揚感・多彩な色彩といったベヒシュタインのコンセプトの核は同じだが、反応しやすい音量、楽器全体から放たれる音圧は随分違う。




工房は空間容積もコンサートホールのように大きくなく、豊かな残響があるわけでない。

その中で、音量的なバランス、響の広がり(ステレオ感)の両方に彼らはこだわった。

これは私も昨日のレクチャーで初めて知ったことだが、ベートーベンは、オーケストラの楽器の配置を意識し、ステレオ効果を期待した順序で楽器を重ねる、といった工夫を交響曲のある部分にしているということだ。即ち、空間が造る倍音の絡みを助けにし、楽曲の構築効果の提示を試みている。





当然、天才リストはそうのようなベートーベンの意識も組入れピアノ曲に編曲しているであろう。彼らが、音量バランスのみではなく、空間の中での2台のピアノのステレオ効果を狙うのは、作曲と編曲の意図を汲めば当然の事とも言える。

今回も平均律ではなく不等分律で調律した。ミーントーンの概念をベースに、程良く均等に分散する、即ち Der Wohltemperierte Fluegelである。

これで行うと、3度系の揺らぎが多いところが味付けになり、響にテンションとリラックスのコントラストが生まれることが興味深いのだが、特に今回二台のピアノでは、調律を正確に行うビフォー、アフターで演奏者(パート)が入れ替わった(ピアノをチェンジする)方が良い効果が出たのが正直驚きだった。

いかにも倍音の産むマジックだった。

我々は、ピアノの表現の可能性の面白さを、ベヒシュタインの販売のあらゆる場面でPRしている訳だが、このような音楽の構造から生じる興味深い効果は、ベヒシュタインの持つアドバンテージだと確信している。


我々は、ピアノの表現の可能性の面白さを、ベヒシュタインの販売でPRしている訳だが、このような音楽の構造から生じる効果の面白さはベヒシュタインの持つアドバンテージだと確信している。

ベートーベンソナタでは、それぞれの個性的なパフォーマンスの個性に、僕は改めて音大受験生が練習曲としているこのソナタの持つ芸術性に感心した。

迫力を期待する耳から、立体感や色彩を期待する耳には、そもそも日本の心と言われる価値観に内包されているものだと思うのだ。なぜ未だに、迫力があることが期待されてしまいがちなのか。。正直嘆かわしささえ感じる。

このシリーズの最終回は12/9土曜日、13:00-16:00を予定している。音楽学 野本由紀夫教授をゲストに招き、全楽章演奏される。







最終更新日  2017.10.18 18:49:38
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