カテゴリ:広告の話
今朝(7/18)の日経に、日経広告研究所が発表した、2009年度(2009年4月~2010年3月)の日本の広告費の修正値が載りました。
それによると、今年1月に予測していた前年度比2.9%減を15.0%減と大幅に下方修正しています。 これは、その予測の前提となる企業収益(経常利益)の見通しの大幅下方修正によるものだそうですが、今回のものと1月発表のものとを比べてみると: ・広告費合計: 今回15.0%減、前回 2.9%減 ・媒体別 マス4媒体計: 今回15.1%減、前回 4.0%減 新聞: 今回21.3%減、前回 8.6%減 雑誌: 今回23.3%減、前回 8.8%減 テレビ: 今回12.3%減、前回 2.2%減 ラジオ: 今回13.8%減、前回 0.5%減 ・四半期別 4~6月: 今回16.3%減、前回 5.6%減(4~9月計) 7~9月: 今回11.7%減 10~12月: 今回16.2%減、前回 0.3%減(10~3月計) 1~3月: 今回15.7%減 まあすでに4~6月の実際の状況を見ていると、今回の修正値は順当のようにも思えますし、業界の深刻さもうかがえる数字なのですが、二つほど疑問が。 1)今年の1月時点と今とで、そんなに企業の経常利益の見通しが違ったのか? ・すでに今年の1月といえば、世界的な経済不況の真っ只中にあったわけで、株価も日経平均は2008年10月から1万円を割り込み、12~2月ごろは8000円前後でした(現在は9350円程度)。株価だけを見ると、今の方が1月時点よりもずっとよいのです。 ・また企業の経常利益見通しですが、例えば直近では6月23日に発表された大和総研の見通しがあり、そこでは2009年度の企業の経常利益は15.8%減、と今回の日経広研の広告費の減少値に近い数字となっています。でも実は、この大和総研が1月21日に発表した企業業績見通しにおいては、経常利益はすでに二桁減の12.3%減となっているのです。ただしこの値も、12月発表時点では3.0%減だったものの大幅な下方修正ではあったので、日経広研は各社の12月ごろの数字をそのまま使ってしまっていた可能性も高いと思われます。 2)日経広研のHPにこの発表記事が出ていないのはなぜ? ・今回の発表が(週中ではなく)土曜日の朝刊に出るタイミング、とか、HPにこのリリース自体が出ていない、とか、通常の発表案件とはかなり違うやり方です。 ・本来であれば、もっといろいろなメディアに取り上げてもらうことを期待して、週中に発表するとか、詳細データをHPに載せるのですが、なぜ?と思ったその答が、彼らのHP上にありました。 ・つまり、週明けの7月21日に「広告業界展望と2009年度下期の広告費予測」というセミナーを予定しているのです。 ・これ、参加費は一般1人1万2000円、会員社でも1人6000円という有料のもの。ここにおいて今回の修正値の詳細をまず語った後、一般公開されるのか?と邪推してしまうタイミングです。でも定員60名の会のために?とも思ってしまう、不思議な振る舞いなのでした。 しかも、7月初旬には写真の2009年広告白書も出しています。 なんだかちょっとちぐはぐな感が否めない、そんな修正値の発表でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/07/18 07:32:14 PM
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