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テーマ:サッカーあれこれ(19824)
カテゴリ:Champions League
チャンピオンズリーグのベスト8進出をかけたバレンシア対インテルの試合。
言うまでもなく今から書くのは試合内容ではなく、試合後の乱闘事件のことだ。 経過を説明すると、試合終了の笛と同時にバレンシアのマルチェナとインテルのブルディッソが言い争いを始めた。そしてブルディッソがマルチェナを殴る形で乱闘スタート。2人を止めるために両クラブの選手や関係者がその場に集まったが、なぜか出番のなかったバレンシアのナバーロがブルディッソを不意なパンチでノックアウトさせる。これに怒ったインテルのサネッティ、マイコン、クルス等が逃げるナバーロを追い掛け回す。どうにかしてナバーロに報復しようとしたインテル勢は後ろからスライディングタックルや蹴りをいれようとするも、ナバーロは逃げ切り成功。しかし他のインテル勢も加わりバレンシアのロッカールームにまで追いかけ込もうと、選手や関係者、セキュリティーを巻き込んだ大騒動だった。ナバーロにパンチを喰らったブルディッソは鼻骨骨折の重傷を負い、UEFAの規律委員会によって多くの選手が何らかの処罰を受けることになるだろう。 以下はフローレス・バレンシア監督とモラッティ・インテル会長のコメント。 「私はロッカーへ向かっていたから、騒動は見ていないし議論するつもりもない。 多くの混乱があったが、それは高い緊張感を持った試合だったからだよ。」 「試合後のことは本当に残念だ。 UEFAの代表者が状況を調査するためにロッカーに来たが、 この先我々は何のアクションも起こさないと思うよ。」 第1戦を2対2の引き分けで迎えた今回の第2戦。インテルは勝利が求められるなかで、無得点のまま時間だけが経過していくことに苛立ちを覚えていたことは致し方ない。両クラブは02-03シーズンにも対戦しているが、この時はインテルが勝利を収め次のラウンドに進んだ。バレンシアからすればリベンジを果たすチャンスでもあり、否が応にもテンションは上がっていた。 だからといって、それらが暴力や乱闘を肯定する理由にはならない。フローレスのいう「高い緊張感を持った試合」は過去にいくつもあった。バルセロナとチェルシーの3年抗争や同日行われたリバプール対バルセロナの試合もそうだ。小さな小競り合いこそあったものの、3年抗争において、ロッカーまで殴り込みにいくような乱闘はあっただろうか。リバプール対バルセロナ戦の試合後に暴力はあっただろうか。 インテルは引き分けに終わったことでチャンピオンズリーグからの敗退が決まった。国内リーグではダントツの首位を走っているものの、怪我人が多くベストの布陣を組めないのが唯一の種だ。今回の乱闘事件でバレンシアよりも多くの選手が何らかの罰則を受けるだろうが、これだけの大きさなのだから、罰則の対象が国内リーグに波及するとも限らない。また先に手を出したのはインテルのブルディッソなのだから、発端はインテル側にある。これ以上騒ぎを大きくしないためにも静かに処罰を受け入れることで、被害を最小限に食い止めようとするクラブの意思も見え隠れする。 サッカー界では今年に入って、多様な暴力事件が相次いでいる。そのどれもが、当事者たちは懺悔や謝罪の言葉は発しつつも責任逃れに必死であり、自分達さえ良ければそれでいいような態度でいるとしか思えない。確かに今までは事件のほとんどが一部のファンと呼べないファンによる騒動であり、いくらクラブとはいえ責任の範疇を越える部分は確かにあった。そしてファンが起こした騒動によってダウンしたイメージを回復できるのが選手だった。しかし今回は選手が起こした騒動である。 「全くばかげたことだ。 スタジアムから暴徒を追い出し、暴力を排除しようといつも言われている。 でも、グラウンドの中の僕らが率先して暴徒と化してしまうようでは、 信頼してもらうのは難しくなる。」 バレンシアDFモレッティのコメントである。 社会に多大な影響力を持つまでになったサッカーだが、ネガティブなイメージを払拭させることは出来るのだろうか。 ほな、また。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.03.08 02:24:20
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