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テーマ:サッカーあれこれ(20122)
カテゴリ:mix-ed up football
先に書いておくが、ぼくはマンチェスター・ユナイテッドのファンである。
だからロナウドにはクラブに残って欲しいと思っている。 しかしながら、クラブやファーガソンが未来を見据えているのなら、明確なビジョンを抱いているのなら、そしてそのビジョンにロナウドが含まれていないのであれば、適正な移籍金での放出もやむなしと思っている。 ただロナウドが火に油を注いだ形となってしまった、FIFA会長の発言には少し反論したい。ちなみにその発言とは以下の通り。 「サッカー界では現代における奴隷制度が強く存在する。 私はいつでも選手の保護を優先したい。 ロナウドが移籍したいのであれば、移籍させるべきだ」 『奴隷』という言葉を用いたために話が複雑化しそうな気配もあるが、とはいえ噂ばかりが一人歩きし注目を集めるロナウドの今回の移籍騒動において、ユナイテッド、ロナウド、レアルの3者にルール違反を犯した者はいただろうか。あえて言えばレアルのタンパリングすれすれの発言の類だけである。だがこれについてもユナイテッドが警告し、FIFAは問題なしとの見解を出している。つまりは誰1人(クラブ)として間違った行動を取っていないということになる。にも関わらず、会長は選手の保護の名の下にこのような発言をしたのである。 分からなくはない。 例えば昨シーズンのバレンシアにおけるアルベルダやカニサレスのような事態に陥った選手の場合、FIFAとして選手の保護を優先すべきであろう。しかしながら今回はそうではない。もちろん各々の思惑、特にロナウドの本心がどこにあるのか確証がないながらも、ユナイテッドはロナウドを軸として考えており、レアルはロナウドを移籍の目玉と思っていることだろう。だがロナウドはユナイテッドと長期契約を結んでおり、契約が切れたわけではない。レアルがロナウドを獲得するには当然ながら、ロナウドだけでなくユナイテッドの首も縦に振らせる必要がある。 話を変えよう。 ロナウドの場合はビッグクラブ同士の問題であるが、当事者クラブのレベルに差がある場合はどうだろうか。そして当事者の選手が下のレベルにいたらどうなるだろうか。 セビージャやウディネーゼのように選手を供給することで成り立つクラブもあるものの、ほとんどのクラブはそうではない。少ない選手をやりくりしながら、それでいて少しでも多くの移籍金を得ることでクラブ強化につなげ、なんとか上のリーグへ、上の順位を目指して戦っているのである。だが単純にクラブ強化とはいうものの、ビッグクラブほどの魅力もなければ戦力的に上を望めないクラブに移籍を夢見る選手は少ない。選手はより高みを目指すものである。そんな中で中心選手がビッグクラブへ移籍したいと考え、所属クラブが頑なに拒むこともある。それでもFIFAはロナウドと同様の発言が出来るのであろうか。選手の保護の名目で移籍を許すのであろうか。仮に許すのであればビッグクラブとそれ以外のレベルの差はますます広がり、サッカーとは持つ者だけに許されたスポーツになってしまうことであろう。それはFIFAの考える主張と異なってはいないだろうか。草の根的発展を考える主義と異なってはいないだろうか。またサッカー界とはそんなものだ言うのなら、そんなサッカー界にした自分達の責任はどうなるのだろうか。また新たな移籍のルールを作って選手を保護するのだろうか。 ユーロにおいて華麗なサッカーが展開される中、スコットランドではグレトナが財政悪化によりリーグから脱退し、ブルガリアではCSKAソフィアが多額の負債からチャンピオンズリーグ出場権を剥奪された。ビッグクラブでさえもミランの借金問題が浮上したり、ローマは常に財政問題を抱えている。 トップに立つ人間として、1つの事象にだけ注目して発言したのならあまりにも無責任すぎる。FIFAという世界のトップに立つならば、もっと周囲を見渡す眼が必要ではないだろうか。仮に自信を持って発言したのなら、サッカー界には暗い未来が待っている。 ほな、また。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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