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テーマ:サッカーあれこれ(19851)
カテゴリ:Premier League
イングランドFA杯4回戦リバプール対エバートンのマージーサイド・ダービーは1対1の引き分けに終わった。1週間前のリーグ戦と合わせて2連戦となった両雄の激突だったが、2戦とも1対1の引き分けに終わり、FA杯の結果によって2月4日には再試合が行われることも決定した。これで次がシーズン4度目の対戦となり、ファンならずとも再試合が今から待ちきれない気持ちで一杯だろう。
先にも書いたように2戦とも1対1の引き分けに終わったこの2連戦だが、内容及び結果は現在の両者のチーム状況を明確に反映し、かつ対照的であったといえるのではないだろうか。 まずリバプール。 2戦共に得点を奪ったのは大黒柱のジェラードであった。決定的なシーンを迎えたり、2戦目の華麗なヒールでのアシストなどトーレスの活躍も大きいが、それでもジェラードの存在はリバプールにとって間違いなく欠かせない。まさにジェラード頼みである。逆に言えばジェラードを消すことさえ出来れば、リバプールの恐さは半減する可能性もあると言えるのではないだろうか。もちろんそれを実行に移すだけの戦力が必要にもなってくるが、リバプールの出方次第ではそれも可能になる。 現在リバプールは2トップと1トップを併用する形を採用している。2戦目はトーレスの1トップにジェラードのトップ下という布陣であったが、前線にスペースがあることでトーレスのスピードを活かした攻撃やジェラードの飛び出しなど、エバートンの守備を何度も混乱に陥れさせた。一方で1戦目で採ったキーンとトーレスの2トップはまだまだ機能しているとは言いがたく、なによりキーンが攻撃の足を引っ張っている感さえ漂っている。また彼ら2人が前線にいることでジェラードのポジションがややゴールより遠くなることで、その分ボールに絡むポジションも1トップのそれに比べても遠くなってしまっている。もちろん左サイドにリエラを配するなど修正は可能であるが、ベニテスが送り出すスタメンによっては、ジェラードの相手に与える威圧感はそれなりに変わってしまうのである。 一方のエバートンは2戦ともセットプレーから得点を奪った。両者の攻撃力を単純比較してもリバプールに優位なだけでなく、それ以上にFWに怪我人が続出し最前線にケーヒルを置かざるを得ない現状ではそれも仕方のないことではある。しかし、それでもセットプレーから得点を奪った自信はエバートンにとって大きい。「相手守備はケーヒルに手を焼いている」「相手はセットプレーの守備に難がある」と彼らが思えば、それを手に入れるための戦術を必ず採用してくるであろう。そしてここ数試合の結果を見てもエバートンは守備に自信を持っている。「相手の攻撃を体を張って防ぎ、ワンチャンスにかける」チームにこのような意思疎通が出来上がれば、戦術はかなり明確になる。2戦目の残り30分の攻防を見てもそれは明らかではないだろうか。そしてこの2連戦、エバートンのフェライーニは出場停止によりピッチに立つことが出来なかった。だが彼の出場によって攻撃時ゴール前での高さというオプションが増えるだけでなく、守備における潰しの効果も期待出来ることから戦術遂行成功度は確実に上がるはずである。 ただエバートンにネガティブな要素もなくはない。リバプールとの2連戦後はアーセナル(1対1の引き分け)、我がユナイテッドと上位との2連戦を挟み再試合のリバプール戦を迎える。選手層の薄い中で気の抜けない試合が続くことで、再試合を迎えるにあたって体力や集中力の疲労度がどこまで進行しているかが心配なところである。ところがリバプールはウィガン戦(1対1の引き分け)後にチェルシーとの大一番が待っている。ホームで戦うとはいえ2位3位を争う直接のライバルだけにベクトルを再試合に合わせることは絶対に出来ない。そしてチェルシー戦で使った体力や集中力を回復する時間なくグッディソンに乗り込まなければならず、そう考えるとエバートンのネガティブな要素はリバプールにとっても同様であるといえる。 1戦目は選手交代を含めて逃げ切りを図りながら勝てず、2戦目は同点に追いついて以降、終始攻めながらも勝ち越せなかったリバプール。2試合とも引き分けながらリバプールは落胆で試合を終え、逆にエバートンにはチーム内に自信が残った。今週末の結果にもよるだろうが、再試合に向けて勢いを持って臨めるのはエバートンである。 ほな、また。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.30 00:48:26
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