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カテゴリ:法科大学院と司法試験
この間の飲み会で、先生がしみじみとおっしゃっていました。
「僕は、僕の講義を受けてた人の中で(何人の学生が受講していたのかは聞きませんでしたが)少なくとも半分は今年試験に合格すると思っていたのに、実際フタをあけたら3人しか受かっていなくて本当にびっくりしたんだよ。」 「ああ、それで今年の講義の内容がどちらかというと3年生向けになったのか」と合点が行きました。去年は要件事実なんて全くやりませんでしたが、今年の講義はどんどん入ってきています。 うちのロースクールを終了して今年受験した人の半分は受かるだろうという予想は私もしていましたから、思わず 「半分は受かるだろうという予測は私もしました。半分は当然で、そこからどこまで上乗せできるかが勝負なのかと思っていました。」と言ったら 「やっぱりそう思うでしょう?」ということで、その場にいたメンバーみんなで頷きあったのです。世間相場の評価は「結構がんばったじゃん」ってことになっていたとしてもね。 先生は言葉をつないで 「司法試験は、直前の3ヶ月は「自分が受かりさえすれば他人は知ったこっちゃない」っていう汚い人間性がないと合格できない試験なんだよ。その3ヶ月に限ってはね。きれい事を言ってたらだめなんだよなあ。試験が終わったら汚い部分は忘れていいんだけど。」 「このロースクールはその直前のパワーに問題があるんじゃないかな。でも、そこが良いところでもあるんだけどね。とても良い人が揃っているよね。僕はこのロースクール好きだけど。でも、お人良しで合格できるほど甘くはないよ。」そうおっしゃって、ご自分の試験の直前にどんな状況だったかをお話してくださいました。相当鬼気迫るものがあったようです。 お人良しで弁護士の仕事はできない、という話も民事訴訟の授業で聞きました。「良い人間性は必要だけどね、でもお人よしではダメなんだ。」と先生はおっしゃって「しょうがないんだよ。詳細は飲み会の時にするけど。」と笑っていらっしゃいました。 弁護士の仕事の現場を見たり、その関係で司法試験の受験生を間近に見ていたせいか、この先生方のお話にはピンと来るものがあります。それぞれ場面は違いますけど。 特に私の場合は、最後の一人で合格するかしないかの瀬戸際になるかもしれないので(私が合格する試験はいつでもぎりぎり状態なので)直前3ヶ月の重みを一番受けるところかもしれません。先生のような状況に自分を上手く追い込んで試験を乗り越えることができるでしょうか。「汚い人間性」って誰にもあるはずだから、簡単にできそうに思えて意外にできないかもしれないような、捉えどころがないもののような気もしてきます。その場に来たらそうなれるように、イメージトレーニングでインプットしておいた方が良さそうです。とりあえずは直前期以前に合格圏内の実力をつけることが先ですけど。 先生は「あなたたち(私を含む未修クラス生)は、僕の授業2年も聞いてるんだから絶対受かってもらわないと僕は困るよ。」と半ばマジメにおっしゃるので 「私は来年も受けますから3年聞くことになります。」と言ったら「益々大変だ」と笑っておっしゃっていました。受からないと困るのは当の私です。 …… 飲み会に出席した受講生の中に、昨年末に結婚された方がいて、その方と「名前が変わると不便だよねー」という話で盛り上がっていたら、先生に「こっちはおめでたい話だけど。そっち(私のこと)はどうなの?」聞かれたので「私は合格して幸せをつかむのが先です」と「お人よしではいけないような仕事につく試験に合格するのが幸せって言えるんだろうか」とちらっと思いながら答えました。それを聞いて「うんうん、そうか。」と笑っていらっしゃった先生の様子が、何か探りを入れているような気がして、「ひょっとすると、合格したら先生は縁談を持ってきてくださるつもりではなかろうか」と思ってしまったのでした。もしかして、すごい良縁なんじゃないだろうか。それなら合格後と言わず早く持ってきてくれてもいいな。…考えすぎか。 硬軟取り混ぜた話がたくさん出てとても楽しい新年会でした。お魚屋さんがやっている居酒屋でお魚はもちろんおいしいし、地酒とワインもおいしいお店です。「日本で作るワインにもこんなおいしいのがあるんだよ。」と先生がおっしゃるのでちょびっとだけ飲ませてもらいました。 蕁麻疹のおかげでお酒は飲めませんでしたが、お酒が入らなくても、ご飯がおいしくて話が楽しければ宴会は十分楽しいようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年01月13日 14時26分29秒
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