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カテゴリ:映画
映画「生きる」の英国リメイク版を見た。
こうしたリメイク版というものは原作から大きな改変が加えられているのが普通であるが、驚くほど原作通りであった。妻の葬儀や息子の子供時代の回想場面、小説家との出会いや生命力にあふれた若い女子職員との交流、そして最後のブランコの場面まで。たしかに、舞台を日本から、ほぼ同時代の英国に移したというだけで大きな変化なのだから、これ以上変える必要はないのかもしれない。 ただ、オリジナル版では医師は明確な宣告をせず、主人公が察するという形になっているが、こちらでは医師ははっきりと余命宣告を行う。これは当時の国情の違いなのだが、いつのまにか、日本でもこういう方式が普通になっている。 脚本はカズオイシグロだが、彼の小説同様に、映画でも古き良き時代の英国が描かれ、場面や音楽の一つ一つが美しく郷愁をさそう。そしてブランコに乗って主人公が歌う「ナナカマドの歌」(Rowan tree)であるが、子供時代の想い出を詠う歌詞がそのまま多くの人々の想い出となっていく児童公園のイメージにも重なる。 人生は有限だから「生きる」ことができる。たとえ余命宣告がなかったとしても、有限であることには変わりない。 THE BOOMの「いつもと違う場所に」(宮沢和史作詞)にこんな一節があり、これは「生きる」にも通じるように思う。 もしあと1年の命だと言われたら がむしゃらに生きるだろう? そんな気持ちで生きてみるべきだと手塚は言う 無駄な日なんて1日も無い よぉ ボウズ!
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