浅草も外国人ばかり
聞いた話である。某国に仕事の都合で二年間ほど赴任した人がいた。その人は二年間勤務先と自宅以外はほとんどどこもいかなかったという。かの北里博士が留学中研究所と自宅の往復以外はどこも行かなかったという話があるがもちろんそれとは違う。その某国は非常に治安が悪く外国人が自由に出歩くだけで危険であり、さらにいえば見るべきものや食べるべきものもないのだという。そういう国も世界にはある。日本にやってくる観光客も増え、かつては想像もできなかったような状況なのだが、これはそれだけ日本には外国人を惹きつける文化があり、景観や歴史的建築物があり、土産に買いたくなるような品物があり、そして食べ物もおいしいということなのだろう。もちろん治安もよくなければならない。外国人観光客が多くやってくることについては、円安が進み、日本が相対的に豊かな国ではなくなったということもあるだろう。しかし、観光依存度の高い国と観光大国とは違う。途上国の中には過去の遺跡や恵まれた自然景観で観光依存度の高い国はあるが、世界一の観光大国はフランスであり、フランスを貧しい国だという人はいない。この間、花見に浅草に行ってきたが、行くたびに外国人観光客が多くなっているように見える。あのあたりで浴衣や和服で人力車に乗っているのはだいたい外国人だろう。若い人力車夫もずいぶん増えている。ワーキングホリディ―もよいのだが、外国人客の多いところで果敢に英語を身に着けるという人もこれからでてくるのではないか。