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テーマ:キリシタン(4919)
カテゴリ:キリシタン
【旧高遠藩領内の転切支丹類族墓石】 前述の墓石があった墓地の、別のお宅の墓域にあった墓石です。上の写真の墓石に彫られた戒名は「一」で始まっています。下の写真の墓石には真ん中に女性の戒名が、左右に男性の戒名が彫られていますが、左側の戒名も「一」で始まっています。 転切支丹類族は卑属に関しては転切支丹本人及び転切支丹本人同前が結婚した場合では、本人もしくは本人同前を含めて5代までは転切支丹類族になります。但し、孫や曾孫・玄孫の代では、結婚しても配偶者が転切支丹類族になることはありません。この墓石では、左側の男性の戒名だけが「一」で始まっていますから、この男性だけが転切支丹類族であったのであろうと考えられます。つまり、左側の戒名の男性は、転切支丹本人もしくは本人同前の孫ということになります。 ただ、右側の男性の戒名も「一」で始まっていませんから、この真ん中の女性の戒名の方の父親もしくは母親が転切支丹類族出会ったのかもしれません。どちらにしろ、この村に転切支丹類族がいたことは、これらの墓石からも明らかです。 転切支丹類族に関して関心のある方は、圭室文雄『葬式と檀家』(吉川弘文館、1999、東京)に幕府が発布した「転切支丹類族早見表」が載っていますから、それをご覧下さい。また、この本には、宗門人別制度が詳しく、それでいて判りやすく記されていますから、キリシタンを考える上で大変に役に立つ文献です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.03.25 08:16:54
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