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テーマ:アニメあれこれ(26643)
カテゴリ:オタク論
「きっと別の仕事で3日徹夜した直後に、企画会議があったのだろう」
数年前、シスタープリンセス(以下シスプリ)の存在を知ったとき、私は箱入り娘より素直にそう思ったものです。 なにしろ、シスプリはヒロイン9人(後に12人)全員が、妹キャラなのですから。 許容範囲が大西洋より広い私でも、さすがにキワモノ扱いしましたよ。 いくら妹キャラが受けるからって、ここまであからさまな、悪い意味での商品が生まれるなんて、と。(メイドカフェの存在を知ったときも、似たようなことを感じた記憶が・・・恥っ) しかし、公野櫻子さんの遠慮のない、いい意味で気恥ずかしいストーリーと、天広直人さんの、驚異的な勢いで進歩するイラストがおりなす、シスプリという居心地のいいユートピア。 その世界に触れているうち、だんだん嫌悪が解け、次第に熱中したものです。 天広直人画集を2冊とも買ってしまう程に。 それでもと言うべきか、それだからと言うべきか。 アニメ版のシスプリは、はっきりがっかりしたものです。 (Re Pure Bパートを除く) 並みのテレビアニメより(検閲により公開禁止)な作画に、原作の魅力を知らない人が、事務的につくったとしか思えないストーリー。 駄作と呼ぶことに、毛すじほどのためらいもありませんでした。 くるぶしあんよさんの考察を見るまでは! 古今東西南北、傑作の考察と駄作への辛口批評は、掃いても掃いても捨てきれないほどあります。 しかし、駄作と呼ばれた作品の魅力を徹底的にしぼり出した考察は、ほとんどないはずです。 世間からも専門家からもそっぽを向かれた作品をほめれば、笑い者にされるか総攻撃を受けるかでしょうから、やりたがる人などいないのも、ごもっとも。 その困難にくるぶしあんよさんは挑戦し、範馬勇次郎もかくやの力と渋川剛気の右に出るほどの技で、アニメ版シスプリの魅力と深いテーマを、みごとに解説してのけたのです。 この偉業を目にして、私の価値感が変わりました。 本物の美しさ、傑作を見ぬく審美眼も大事だが、美しくない、駄作からも美しさを探り出す探美眼(たんびがん:私の造語)も大事なのだと。 審美眼でもって、いい作品と悪い作品を切り分け、講釈をたれることは、プライドを満腹させてくれる、誘惑の強い選択肢です。 が、これ、つまらないのです。 せっかく出会った作品。 そこから、可能な限りのおもしろさや魅力を感じ取るほうが、楽しい。 大衆や災害・戦争の被災者をバカにしたり、病人・身障者・社会的弱者をからかうような作品でないかぎり、一般人(ひどく、あいまいなくくりですが・・・)が気づかないような、作品の魅力、面白さを見つけ出す探美眼(たんびがん)を磨くことが、マニア・オタクにとっては審美眼の発達以上に大事に思えるのです。 自分の好きな分野で、存分に楽しむためにも! 楽天ブログランキング(この日記がおもしろいと思ったら、えいやとクリックを) 宿泊先は、こちらで探すと便利かも? 私はよく利用します。 新品を買う前に一回はチェックした方がいいかも? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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