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カテゴリ:オタク論
アイドルのコンサートに、生まれてこの方行ったことが無い秋葉原愛好家でございます。
初音ミクを知ったのが数日前。 すでに起きまくっている一大ムーブメントに、ちょっと遅れたかな? 本題に入る前に、初音ミクをご存じない方のために、私のつたない知識から紹介します(いくばくか不正確なのはご容赦)。 初音ミクとはクリプトン・フューチャー・メディアから発売された、歌作成+演奏ソフト(とでも申しましょうか)のバーチャル・シンガー。 (ソフトについてはこちら。キャラクターについてはこちら) なんと、このソフト、ユーザが入力したメロディーと歌詞のとおりに、バーチャルキャラである初音ミクが歌うのです。 これが、声優さんの声が素材とはいえ、コンピュータの合成音声にしては、なかなかになめらか。 (こちらのデモソングをお試しあれ) このソフトを使えば、初音ミクに、自分の好きな歌を自由に歌わせられる(曲調によって得て不得手はあるようですが)のです。 しかも、それをニコニコ動画やYouTubeで発表することも可能。 ネット上の発表ですから、これはいきなり世界デビュー。 アイドル事務所、プロデューサー、作詞作曲家などなどの擬似体験を、自宅でパソコン上で一人でできてしまう。 このソフトが洗練されれば、アイドルは不用になってしまう!と思えなくもないのですが・・・ 来年のことを言うと鬼が笑うといいますが、あえて予想します。 ある条件が満たされるなら、私は初音ミクやその妹達が、生身のアイドルにとって変わることはないと思っています。 生身のアイドルはマラソンで、初音ミクはF1(ルマンのほうが適切だけど、知名度でF1で話を進めます)。 そのくらい違うから。 マラソンはご存知のとおり、速さを争う競技。 F1もまた衆知のとおり、速さを争う競技。 共通点はあります。 ですがマラソンがF1に、あるいはF1がマラソンにとって変わられることはありません。 たとえ、マラソンが鈴鹿やモナコのサーキットで行われようとも。 同じ速さを争う競技でも、両者はまったく魅力の違うスポーツだからです。 マラソンは、人間が早さを争う競技。 F1はクルマとクルマを操るドライバーの速さを争う競技。 マラソンは、人間が能力の限界に挑むところが魅力。 F1は、人間のテクニックがクルマの性能を限界まで引き出すところが魅力。 速さを競う、以外に共通点は無いと言っていい。 同じように。 アイドルは、人間が創意工夫して可愛らしさを演出し、魅力的に見せるところが魅力。 初音ミクは、ユーザーのソフトを使いこなすテクニックで、バーチャルシンガーを魅力的に見せる(聞かせる)ところが魅力。 この両者も、似て非なるものでしょう。 可愛さを競う、以外に共通点は無いと言ってもいい。 ただし、もし、マラソンの関係者が、マラソンの本当の魅力を忘れ、ランナーにどんな手段を取っても速ければそれでもいいと要求するなら、その時は、マラソンはF1にとって変わられるでしょう。 効率や速さだけなら、人間がF1に敵うわけが無いのですから。 同じようにアイドルに、ただ可愛ければそれでいい、とするなら、アイドルは初音ミクとその妹達に駆逐されるでしょう。 人間が挑戦し演じることで、それを見た観客が同じ人間であるがゆえの共感をし、自分の潜在する力に自身を持つことができる。 その利点を捨て、過程を無視して絶対的性能のみ求めるなら、速さも可愛さも、機械の方が上ですからね。 個人的には、生身のアイドルと、バーチャルシンガーが、お互いにそれなりに刺激し合いながら、双方とも発展するとよいと思いますね。 誰かがつくった初音ミクのオリジナルソングを、初音ミクのコスプレしたアイドルが歌うとか・・・安直か。 初音ミク MIKU HATSUNE お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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