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オレンジカウンティのニューポートビーチに住む友人から自宅でのパーティに招待され、妻と二人で出掛けました。9組の夫婦、合計18人の集いでした。眺めの良いベランダで夕焼け空を眺めながらワインを楽しみました。料理も美味しいでした。しかしワインや料理以上に楽しいのはやはりパーティでの会話です。
さまざまな話題が飛び交いました。ワールドカップから昨日のロサンゼルス・レーカーズのチャンピオンシップ、メキシコ湾の油漏れ、米国経済、話はあっちに飛び、こっちに飛び、尽きません。男性だけでなく、女性軍も話が盛り上がっているようでした。色んな話題があったのですが、米国の景気に関してのコメントがちょっと気になりました。 20年余り不動産業をしている人の話です。まだ住宅販売も完全には戻っていない。いくらかずつ物件は動いているが、二・三年前と比べて価格が低下しているので、数を増やさないと全体での売り上げ数字が伸びない。住宅に関しては一時3割程度下がっていた価格が少し戻り、2・5割程に戻ってはいる。しかし銀行は多くの不良債権を抱えている。 銀行への支払いを一年以上も滞納した持ち主を追い出しても家が売れないので、そのまま住まわしている状況が続いている。このような多くの不良債権となった家を抱え、銀行は損切りしながら、少しずつ市場に出している。一挙に放出すると住宅価格が更に低下し、損失が増える危険がある。銀行が様子を見ながら徐々に全ての家を処理するには後二年ほど掛かるのではないか。住宅以上に商業物件はより悪い。価格の下落は続き、銀行の損失は増えている。 彼の話に同意するように、運送業を経営する人が言いました。最近取引銀行の営業マンと話したが、銀行も不動産部門での不良債権を抱え、一般の商業ローンの余裕がなくなっている。新規の事業や回転資金への融資を行うのがなかなか難しい。貸して利子を稼ぐ銀行が、貸すお金が十分になくて困っている状況である。これではビジネスも伸びようにも伸びれない。 今週ニューヨークに出張し、いつもは華やかなフィフス・アベニュー(五番街)の寂しさに驚いたと言うメディア関係の人のコメントがありました。五番街の商業ビルには「貸しスペース」の張り紙が多く、空き家となった店舗が多く目に付いた。街を歩く人々は気軽なTシャツやジーパンで闊歩する欧州や中東からの観光客である。地元の買い物客の姿は少なく、有名ブランドの店も賑わいには程遠い。 レストランに入ったが以前は高額な料金がかなり安くなっている。それでも顧客の数は少ない。その代わり屋台の店には長い列が並んでいた。レバノン出身の人が道路脇で焼く野菜と羊肉を焼き、メリケン粉のトルティーヤで包んだ6ドルのファースト・フードが人気を呼んでいた。ニューヨークの人々の倹約生活の一端を覗いた気がした。 観光客も欧州人や中東人が主で、以前の日本人、韓国人、台湾人などのアジア人の姿は激減していた。三年ぶりのニューヨーク訪問だったが、その変化に驚いた。やはり不景気は続いているとのコメントでした。上記三人のコメントを繋ぐと、一見失業率の低下など景気回復の動きは見られるものの、米国の景気はまだまだ本格回復には至っていないようです。 昨日の中国による人民元の切り上げのニュースは米国でも好意的に受け止められ、米国から中国への輸出拡大にも貢献するだろうとの期待はあるようです。しかし表面にはあまり出ていないものの、各地の銀行の抱える不良債権処理問題は当分は米国経済の本格的回復のマイナス要因です。わずか三人だけのコメントでは何とも言えませんが、一応一つの参考にはなるかと思います。(終り) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.06.20 18:14:44
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