カテゴリ:カテゴリ未分類
この45年の間にアメリカと日本、更には両国の関係にはどのような変化があったかなーと考えています。まず頭に思いつくのは経済的豊かさです。1960年代アメリカは輝いていました。ベトナム戦争を戦いながらもアメリカ国内には豊かな生活が続いていました。日本ではやっと東名高速道路に名神高速道路が?がった頃には、アメリカ中を縦横に走り回る高速道路がすでにありました。しかし今日では日本も北海道から九州まで高速道路網が完成しています。新幹線もあります。
家庭の中においてはまだ自家用車が持てない日本から来た私の目には一家に二台も三台も自家用車があるアメリカの生活は驚きでした。しかし今日では日本でも自家用車は何ら珍しくありません。また家庭の中には大型の冷蔵庫に冷凍庫、サラ洗い機に、24時間いつでもふんだんに出るお湯の設備、エアコン、24時間放送のカラーテレビ、全てが夢のようでした。しかし日本も今日ではその規模の違いはあれ、ほぼ同じように豊かになりました。 スポーツに映画にセックス、いわゆる3Sですが、この点でもかなり日本はアメリカと並ぶようになりました。また給料の面での日本の躍進は凄まじいです。最もアメリカとの対比においてですが。1966年の私の手取り1万8千円は現在では20万円以上になっているのではないでしょうか。仮に最低に見積もったとしても10倍にはなっているでしょう。仮に18万円としましょう。これなら私の渡米時のアメリカの金額と変らないように見えますが、ドル換算だと違います。 仮に計算しやすいように1ドル80円としても日本の18万円は今日では2千2百ドルになります。これは同じような年齢や職業比較して、アメリカと日本は給与水準においてほぼ同じとなります。私が感じた1966年の給料8倍の驚きや喜びはここにはありません。色んな点で見ても、日本はこの45年間に物質的豊かさという点ではアメリカと同じか、ひょっとしたらそれ以上になったのかも知れません。 しかし惜しむらくは住居です。日本の国土の25倍もの広さに日本のわずか二倍の国民が住んでいる訳ですから、国民一人当たりの広さの違いはどうしようもありません。土地の広さ、庭の広さ、家の広さ、場合によってはプール付きというアメリカの家の豊かさだけは45年経過した現在でも変化はないようです。しかし総合的に見て、私は日本人の平均的庶民の生活は安全で豊かなものだと感じています。もう少し都会一極集中でなく、分散して生活出来るようになれば、住宅条件も良くなるだろうと思うのですが。 社会的・精神的な変化を言うと、敗戦以来ずっと自信がなかった日本人は驚異的な経済発展により自信を付け、同時に第二次世界大戦以後、冷戦構造の中で、自由陣営側のリーダーとして自信に溢れていたアメリカはベトナム戦争で傷付き、また冷戦終了でソ連以下の共産陣営に勝利した喜びで一国大国の地位を喜んでいましたが、ブッシュ大統領のアフガン戦争に続くイラク戦争でまた失敗しました。戦争に投入した若い兵士たちの命や巨額の戦費、そして世界からの批判の目はアメリカの威信を傷付け、国民も苦悩しました。その結果が現在の経済不況です。 日本も70年代から80年代に掛けては経済的成功から傲慢になりました。「もうアメリカに学ぶものはない」と豪語し、「日本のお金でアメリカを何度も買える」と嘯きました。しかしそれはバブルが与えた大きな錯覚でした。その間にアメリカは工業社会から情報社会へと移りつつありました。日本が勝利したと言っていた半導体産業も、それは大量生産されるメモリーの分野で、もっと大切なコアの半導体はインテルにがっちり押さえられていました。今日ではそのメモリー分野ですら、日本は韓国や台湾などに敗北しつつあります。 今日の世界的企業を振り返って下さい。マイクロソフト、アップル、ヤフー、グーグル、ユーチューブ、フェイスブック、ツィッター、アマゾン、イーベイ、いずれもアメリカ企業です。情報産業です。日本で成功しているミクシーや楽天なども残念ながら世界には広がっていません。日本国内が主です。中国への展開は期待出来ますが、もっともっと日本の企業はアメリカ企業に負けないように世界市場を狙って欲しいものです。 諸悪の根源は日本市場が中途半端に大きく、日本国内でシェアーを押さえるだけでかなり大きなビジネスになることです。国が小さいイスラエルやアイルランド、それに韓国なども積極的に世界市場に進出しています。その点では日本のパソコン界を席巻したNEC、携帯分野を席巻したドコモなどの責任は大きいと思います。どうせ日本市場でトップになるのなら、やはり世界市場でもトップを狙う意気込みと根性が欲しいものです。英語力が言い訳にされる時がありますが、そんな事を言っていても始まりません。それならば一生懸命英語も勉強して、世界市場に飛び込む事です。 アメリカの変化、日本の変化をもう少し話すつもりでしたが、少しそれました。また明日はもっと卑近な社会的現象の変化について書いて見たいと思います。(終り) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.10.01 08:12:37
コメント(0) | コメントを書く |
|