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「神の宮の意味と歴史」
甲斐慎一郎 サムエル記、第二、7章1~18節 神の宮は、神がお住みになり、またその神への礼拝と賛美と祈り がささげられる神聖な場所です。その意味と歴史には、次のような 8つの段階があります。 一、祭壇 祭壇は、神に香をたいたり、いけにえをささげたりするために、 土や石や金属で造られた壇のことです。ですから祭壇は正確に言え ば神の宮ではなく、その前身ですが、神の宮の中心的な部分です。 聖書の中で最初に「祭壇を築き」と明白に記されているのはノア の記事ですが(創世記8章20節)、カインとアベルがささげ物をし た時、祭壇を築いたことは十分に考えられます(同4章)。アブラ ハムもイサクもヤコブもみな、祭壇を築いたことは周知の事実です (同12章7節、26章25節、33章20節)。 二、幕屋 幕屋は、契約の箱(あかしの箱、神または主の箱)や祭壇などを 納める亜麻布で造られた天幕で、荒野を旅行するイスラエル人が持 ち運んで移動できるものです。 この幕屋は、神がその民と会うところですから、「会見の天幕」 (出エジプト40章2節)と呼ばれ、またあかしの箱が納められて いるところですから、「あかしの幕屋」(同38章21節)と呼ばれ ています。しかし一般には「主の家」、「神の宮」、「主の宮」 (出エジプト23章19節、士師記18章31節、第一サムエル1章7 節)として知られています。 三、神殿 神殿は、仮の住まいである幕屋を恒久的な建築物に建て替えたも ので、広さは幕屋の四倍ほどありますが、その構造や機能は全く同 じであり、幕屋の再現です。これは、最初はソロモンによって建て られ、破壊された後、ゼルバベルによって再建され、さらにヘロデ 王によって改築されています。 四、会堂 エルサレムの神殿が破壊され、イスラエルの民が捕囚となった時、 エルサレムの神殿における礼拝は、事実上、不可能になってしまい ました。このような時に造られたのがユダヤ人の宗教的な集会場で ある会堂(シナゴグまたはスナゴーゲー)です。 この会堂は、いけにえをささげる所ではないので、神殿に取って 代わるものではありませんが、神殿と同じように、聖書を教え、祈 りをささげて、神を礼拝するところです。これは、実際的な集会所 としてキリストも使徒たちも礼拝と伝道のために非常によく用いて いますが、キリスト教の教会堂の前身として見逃すことができない ものです。 五、キリスト 幕屋はキリストのひな型であり(ヘブル10章20節)、イエスは、 ご自分のからだのことを神殿であると言われました(ヨハネ2章21 節)。キリストご自身が神の宮なのです。 六、教会堂 キリスト教の教会堂は、神への礼拝と賛美と祈りがささげられる 神の宮であることは言うまでもありません。聖書の中には、「家の 教会」または「家にある教会」という言葉が4回記されています (ローマ16章5節、第一コリント16章19節、コロサイ4章15節、 ピレモン2節)。これは、当時は普通の家を教会にしたことを教え ており、現在のような十字架や尖塔がついた教会堂は、3世紀半ば 頃から造られたようです。 七、キリスト者 しかし聖書は、私たち自身が神のお住みになる「生ける神の宮」 で、そのからだは「幕屋」であると教えています(第二コリント6 章16節、5章1~4節)。私たちは、真の神に対する偽りのない礼 拝と賛美と祈りをささげることができるような聖い心の持ち主であ ることが求められているのです。 八、天の御国 地上の幕屋は、あくまでも「本物の模型にすぎない、手で造った 聖所」で、本物は「まことの聖所」である天の御国です(ヘブル9 章24、12節)。 このように「神の宮」は、祭壇から始まって「天の御国」まで8 つの段階があり、「天の御国」において完成するのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.02 00:10:28
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