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東京フリー・メソジスト教団付協力牧師 甲斐慎一郎 説教要約

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2009.01.15
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「喜びなさい」
                     甲斐慎一郎
                     ピリピ人への手紙、4章4~7節

 「いつも主にあって喜びなさい。もう一度言います。喜びなさい」
(4節)。

 ピリピ人への手紙は、喜びと勝利の書簡であり、パウロは、この
手紙において何度も何度も彼自身が喜んでいることを述べているだ
けでなく、ほかの人にも喜ぶように勧めています。彼の伝道旅行が
苦難と迫害の連続であり、この手紙が苦しい牢獄の中で書かれたこ
とを思う時、その言葉には計り知れない重みがあります。

 「喜び」は、私たちの心が最も求めているものであるとともに、
私たちの心の動力です。人の心は、様々な苦しみをも忍ぶことがで
きるでしょう。しかし喜びのない心に、だれが耐えることができる
でしょう。ですから、その人がどのような人であるかということは、
その人がどのようなことを喜ぶかによって分かるのです。

 一、受動的な喜び――人や物や環境等、何かほかのものによ
って喜ばされる喜び


 まず多くの人々が求めている喜びは、これです。この喜びは、自
分の方からは何もせず、ただ受け身一方で、ほかから喜ばされたり、
興奮させられたりすることです。

 これは、その喜びの対象が高尚なものであり、後で述べるような
能動的な喜びや恒久的な喜びを得るための手段として喜ばせられる
なら有益です。

 しかし、その喜びの対象が低俗なものであり、ただ自分を喜ばせ
ることを目的とするなら、有害です。なぜなら私たちは、どのよう
な喜びも必ず慣れて厭きがくるため、より刺激的、官能的なものを
求めて堕落していくだけでなく、自分を喜ぱせてくれない人々や境
遇を非難したり責めたりする身勝手で無責任な人間になるからです。

 二、能動的な喜び――何かをなしたり、成し遂げたりする
こと事によって喜ぶ喜び


 次に多くの人々が体験している喜びは、これです。この喜びは、
自分の意志を働かせ積極的に行動したり、何かを完成したりするこ
とによって喜ぶことです。

 これも、行動したり、完成したりする物事が高尚なものであれば
有益ですが、低俗なものであれば有害であることは、言うまでもあ
りません。

 しかしこの喜びには、さらに次のような問題があります。それは
物事は必ずしも自分の思い通りには運ばないので、いつも喜ぶべき
結果が得られるとは限らないだけでなく、何事も慣れて厭きがくる
ため、より高度なものを追求しなければ満足しないということです。

 どちらにしても人間のすることである以上、成功することもあれ
ば失敗することもあり、その度に一喜一憂するのが人の心ではない
でしょうか。

 三、恒久的攻喜び――人や環境等、周囲のものに関係なく
神によって喜ぶ喜び


 これに対して聖書が教え、またパウロが勧めている喜びは、これ
です。この喜びは、前の二つの喜びとは全く異なり、信仰によって、
いつでも喜ぶことができるものです。

 1.過去に関して――私たちの罪のために死に渡されたキリスト
を信じることによって、すべての罪が赦され、罪に満ちた忌まわし
い過去が葬り去られたことを喜ぶのです。

 2.現在に関して――私たちを生かすために復活されたキリスト
を信じることによって、新しく生まれ変わり、神がすべてのことを
働かせて益としてくださることを喜ぶのです。

 3.将来に関して――私たちを迎えるために再び来られるキリス
トを信じることによって、天の御国を待ち望み、そこにおいて永遠
に神とともに住むことを喜ぶのです。





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Last updated  2009.01.15 10:17:00
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