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「サウロの召命」
甲斐慎一郎 使徒の働き、9章10~19節 サウロは、天からの声に二つの質問をしています。二番目の「主 よ。私はどうしたらよいのでしょうか」という質問に対して主は彼 を異邦人への使徒として召されました。 一、幻の中でサウロというタルソ人を尋ねるように主に言わ れたアナニヤ(10~12節) ダマスコの諸教会は、幸いなことにサウロが回心したことによっ て恐ろしい迫害をまぬかれることができましたが、さらに幸いなこ とに、そこに住む弟子たちの中に回心したサウロを主の道に導くこ とができる人がいました。「律法を重んじる敬虔な人で、そこに住 むユダヤ人全体の間で評判の良いアナニヤという人」です(22章 12節)。 アナニヤの存在は、ダマスコの教会だけでなく、サウロにとって も幸いなことでした。なぜなら、後になってパウロは、ユダヤ人に 捕らえられ、民衆に弁明しましたが、その時、このようなアナニヤ からバプテスマを受け、彼を通して神の召しを受けたことを話すこ とができたからです(22章13~16節)。ここにも先へ先へと働い ておられる主を見るのです。 サウロが回心してから三日目の終わりころ、祈っていると、「ア ナニヤという者がはいって来て、自分の上に手を置くと、目が再び 見えるようになるのを、幻で見」ました(12節)。それで主は(そ れもおそらく祈っていたであろう)アナニヤに、幻の中でサウロと いうタルソ人を尋ねるように言われました(11節)。主はふたりに 祈りと幻の中で語ってくださったのです。 二、戸惑うアナニヤにサウロは選びの器として召されたこと を告げるとともに、彼のもとに行くように命じられた主(13~ 16節) しかしアナニヤは、サウロを尋ねるように主に言われると、恐れ をなして、戸惑いつつ深刻な状況を主に訴えました。彼がエルサレ ムで聖徒たちにひどい仕打ちをしただけでは飽き足りず、脅かしと 殺害の意に燃えて、このダマスコに来たことをよく知っていたから です(13、14節)。ほかの人ならばともかく、よりによって最も恐 ろしい迫害者に会いに行くように言われたのですから、尻込みする のも無理からぬことでしょう。 しかし主は、アナニヤの訴えを退け、「行きなさい」と命じられ ました(15節)。なぜなら彼は、三日前までは確かに迫害する者、 暴力をふるう者でしたが、今はイエスと出会ったことによって全く 新しく生まれ変わったからです。いやそれだけでなく主の名を、異 邦人、王たち、イスラエルの子孫の前に運ぶ、主の選びの器だから です(15節)。それは主の名のために非常に大きな苦しみを受ける ことです(16節)。しかしパウロは、「それを恥とは思っていませ ん」と告白しています。なぜなら、「その方は私のお任せしたもの を、かの日のために守ってくださることができると確信してい」た からです(第二テモテ1章12節)。 三 アナニヤによって使徒となる按手を受け、目が見えるよ うになり、聖霊に満たされてバプテスマを受けたサウロ(17~ 19節) アナニヤは、主のことばを聞くと、落ち着きを取り戻しただけで なく励ましを受けて、サウロのところに行きました。そして彼が再 び見えるようになり、聖霊に満たされるために、主イエスが自分を 遣わされたことを告げ、彼の上に手を置きました(17節)。 すると、その時、サウロはアナニヤが見えるようになっただけで なく、聖霊に満たされました。そしてアナニヤのことばによって主 のために、すべての人に対し、自分が見たこと、聞いたことの証人 とされることを知りました(22章13、15節)。 サウロがイエスと出会ったことによって回心し、今までの人生を 方向転換しただけでも、それは彼にとって驚くべき出来事でした。 ところが三日後には、まだ十分に考えを整理していないうちに異邦 人への使徒としての召しを受けたのですから、頭の中は混乱し、た めらっていたのも当然のことでしょう。しかしアナニヤに促されて、 気を取り直し、バプテスマを受けました(22章16節)。そして食 事をして元気づき(19節)、使徒としての全く新しい人生を踏み出 したのです。 拙著「使徒パウロの生涯」4「サウロの召命」より転載 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.27 14:26:41
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