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アラビア書道とその周辺

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2007.10.30
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カテゴリ:映画
「クワイエットルームにようこそ」という映画を観てきました。

クワイエットルームというのは、この映画では、精神病病院の閉鎖病棟にある保護室を意味します。主役の明日香(内田有紀)は仕事に追われ、夫ともうまくゆかず、つい睡眠薬を飲み過ぎて自殺を図ってしまい、精神病院に入れられてしまうのですが、そこにいる様々な人々により影響を受け、考えさせられ、そして退院するまでの14日間を描いたものです。
中心になるのは自殺願望者、過食症者、拒食症者、オーバードーズ(薬物過剰摂取)者ですが、ライターで髪に火をつけてしまう者、カロリーの摂取を嫌って運動ばかりしている者、退院動作を繰り返す者などがある意味“花”を添えます。

印象的な場面は、退院する時に患者たちが寄せ書きを明日香にくれるのですが、この寄せ書きは病院を出たら直ぐ破り捨てることが不文律であり、それが本当の退院であり、社会復帰できることを意味していることです。配偶者や保護者が退院させて欲しいと申請すれば退院させてくれるようでしたが、実際には繰り返し入院する人が多いことを示す象徴的な場面もありました。

テレビドラマ「北の国からの」などの内田有紀さんはかなり激しいアクションに挑戦していますが、同時に表情豊かで難しい役をこなしています。
中心が精神病棟ということで、場面の変化が少ない分、役者の実力が問われるのですが、大竹しのぶさん、蒼井優さんという実力者が中心となり、また、劇団出身者がずらりと脇を固めているためか、締まった場面が展開されます。

監督が松尾スズキさんで準主役として宮藤官九郎さんが俳優として出ているので、ちょっと過激な画面作りになるのかなと予想したのですが、テンポがあり、CGも少し使われているものの、むしろじっくりと撮っている感じがします。そしていくつかの場面でサービスと思われる演出もあり、これが観客を飽きさせずスクリーンに引きつける役割を果たしています。
なお、テロップを見ていると某商社も協力していました。いやなかなか良い作品に金を出しているなと思いました。

実は、私も高校の時、精神病病院に行ったことがあります。と言っても病気で行ったのではなく、研究レポートを書くために同じクラスの数名と出かけたのです。その時の印象は、いまでははっきり思い出さないのですが、いわゆるクワイエットルームではなく普通の開放病棟の方を見て回りました。怖いとか、異常なという感覚はありませんでした。ただ、その際、対応してくれた看護士さんが映画でりょうさんが演じた冷たい感じの看護士ではなく、優しい感じの異常に美しかったのを覚えています。その時、来月には結婚するのですよと嬉しそうに言ってくれたのを思い出しました。多感な高校生でしたのでそんなことしか覚えていません。

今年は「自虐の詩」(上映中)、「続・Always 三丁目の夕日」(11月3日封切り)など面白そうな日本映画が控えており楽しみです。
ちょっと気になるのが「ペルセポリス」というフランス映画で、モノクロのアニメで現代を生きるイラン女性の話を描いた、ちょっと変わったものがあり、期待しています。

(日本アラビア書道協会 http;//alqalam.jp)





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最終更新日  2007.10.31 10:09:28
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