カテゴリ:結婚の科学
□美麗な勇姿□ ゼウスをもっとも悩ませたのは 実のところ後継者選びだった。 ゼウスが最初に惚れ抜いて妻にしたのは知恵の女神メーティス。 彼の祖父ウラヌスと祖母ガイアによる予言では、 メーティスが生む息子は、父親であるゼウスを殺し、 オリュンポスの王座を狙うであろうということだった。 ウラヌスがその末っ子クロノスに倒されたように。 その予言のために すでに自分の子を孕んでいるメーティスを やむなく離縁しなければならなかった。 生まれる子が、嫡子であることが 愛する妻子を不幸な立場に追いやることがわかっていて 結婚を続けることはできなかったのだ。 メーティスを誰にも知られないように隠し、 誰にも知られず子を産ませた。 ゼウスが自ら取り出した子が女児であったために、 彼は安心して王宮に連れ帰り、ヘラには 「わしが一人でこの頭から生んだんだよ!」 と冗談を言いながら手ずからアテナを育てた。 女児が王位につくことはできないのだ。 手元において、目に入れても痛くないほどに 彼はアテナをかわいがった。 ヘラが怒ってヘパイトスを生んだ原因は、 メーティスの存在を自分に隠していたことだった。 しかもその娘が賢いことで評判を呼んでいたのだからなお更だ。 乗馬、弓剣術、兵法、貿易、国の歴史、地理、算術、天文学・・・ 男子と同様の学問をアテナには特別に授けた。 普通、女子に学問を授けることは無い。 しかし、彼女の資質はどの分野でもダントツに群を抜いて優れていた。 それでも、彼女に帝王学だけは授けなかったゼウスだった。 王位継承にふさわしい息子を彼は待ち望んでいたのだ。 けれどもアテナは、父の背中から何でも吸収してしまう賢さだった。 15歳になり、 成人を迎えたほかの男子とともに甲冑に身を包み整列する姿は、 立派で凛々しい一人の武将であった。 ゼウスは彼女を重用した。 彼女の得意は戦略を組み立てることだ。 無駄な血を流さず、効率よく勝利を得た。 和平を目指し勝利してゆくその智将ぶりは 世間をとどろかせ、歓喜させ、 しかもその美麗な勇姿ゆえいやがうえにも人気は増した。 人気ブログランキングへ 参考『愛は脳内物質が決める』テレサ・クレンショー著 [おしらせ]------------------ 男の恋愛ベーシック『BOY’S LOVE RULES』の好評を受け4月リニューアル版発売の運びとなりました。発売と同時に旧版の販売を中止させていただきます。 『BOY’S LOVE RULES』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 1, 2009 08:49:43 PM
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