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カテゴリ:詩歌
ある晴れた日に第228回
天ざかる鄙の里にて侘びし人 八十路を過ぎてひとり逝きたり
頑なに独り居すると言い張りて独りで逝きしたらちねの母
わたしはもうおとうちゃんのとこへいきたいわというてははみまかりき
わが妻が母の遺影に手向けたるグレープフルーツ仄かに香る
瑠璃タテハ黄タテハ紋白大和シジミ母命日に我が見し蝶
犬フグリ黄藤ミモザに桜花母命日に我が見し花
雪柳椿辛夷桜花母命日に我が見し花
真夜中の携帯が待ち受けている冥界からの便り母上の声
われのことを豚児と書かれし日もありきもういちど豚児と呼んでくれぬか
一本の電信柱の陰にして母永遠に待つ西本町二十五番地 蝶人
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Last updated
2014年04月25日 08時53分49秒
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