昨日(10月12日)行われた早稲田大-立教大の3回戦。
昨日のブログで、5回表の戸村健次(4年、立教新座高)のお手玉でゲームの
「流れ」が早稲田に変わったと書いた。
その「流れ」が変わった理由はもうひとつある。それは、斎藤佑樹(3年、早稲田実)
に代わって5回裏から大石達也(3年、福岡大大濠高)が登板したことにある。
140km台後半の速球をビシバシと投げ込み、立教打線のバットは空を切った。
スタンドから見ていて、立教はまるで打てそうに見えなかった。というより、大石が
早いイニングから登板したことで意気消沈したようにさえ見えた。結局、大石は
最後まで投げ切り、5イニング、打者18人に対し、被安打2、奪三振11、
与四死球1、自責点0の好投で、早稲田を勝利に導いた。
打者18人に対して奪三振11は、確率で言うと61.1%。またアウト数15個の内、
奪三振数が11だから、アウト数に占める三振率は73.3%。
まさに、大石は東京六大学リーグの「ミスターK」と言える。
◇試合の経過は、昨日のブログへ。
■今季の大石の成績を調べてみた。
5試合、1勝0敗、16回、被安打7、与四死球4、奪三振23、自責点1、防御率0.56。
防御率は、投手十傑の断トツの第1位。奪三振率も12.94と、これも断トツの1位。
これまでもそうだったけど、マウンドに立つだけで大石の「威圧感」は増すばかりだ。
ちなみに昨日の試合で奪った奪三振数11個の内訳。
フィニッシュが「直球で空振り(三振)」だったのが6個、「直球で見逃し(三振)」が4個、
「変化球で空振り(三振)」が1個。この数字からわかるとおり、大石は150km近い
直球で(打者に)真っ向勝負する「爽快感」溢れる投手なのだ。
■防御率のランキング。
1位は前述のとおり大石達也(0.56)、そして2位は明治大・難波剛太(2年、春日部
共栄高)で1.71、3位は慶応義塾大・中林伸陽(4年、慶応高)で1.88。
※早稲田大の斎藤佑樹は2.35で第5位。
■奪三振率のランキング。
1位はもちろん大石達也(12.94)、2位は同じ早稲田大の福井優也(3年、済美高)
で9.56、3位も同じ早稲田大の斎藤佑樹で8.22。
※早稲田勢がベスト3を占めた。
■被安打率のランキング。
1位はこれも大石達也(3.94)、2位は難波剛太で6.43、3位は法政大・加賀美希昇
(3年、桐蔭学園高)で6.66。
※斎藤佑樹は8.22で第6位。
■与四死球率のランキング。
1位は法政大・加賀美希昇で1.11、2位は早稲田大の福井優也で1.69、3位は
明治大・野村祐輔(2年、広陵高)で1.71。
※早稲田大・斎藤佑樹は3.52。ランキングの8位で意外によくない。今季の斎藤、
調子がいいのかよくわからない理由はこのへんにある。
■大石達也のことに話を戻す。
だが大石、いいことばかりではない。一つだけ懸念がある。それは5イニング目の9回
は直球が高めに浮き、制球に苦しんでいたように見えたこと。早いイニングから大石が
登板することは相手にとって威圧感十分だが、長いイニングの救援は明らかに「疲労」
が見えた。それが課題だと思った。
(上記数字はすべて10月12日現在、また規定投球回数に達した投手のみに限定した)
◇奪三振率ほかの関連記事「あま野球日記」バックナンバーより。
「2009年春季の奪三振率・与四死球率・被安打率(途中段階)」 (2009.5.14) → こちらへ。
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