■昨日(9月29日)、慶応義塾大対東京大1回戦が行われた。
慶応大 100 012 010 =5
東京大 000 000 500 =5
(慶)竹内大‐只野‐福谷、(東)初馬‐辰亥‐関
慶応にとって、試合を壊したのは福谷浩司(4年、愛知・横須賀高)の背信投球だった。
慶応は6回までに4点のリードを奪ったが、7回に先発の竹内大助(4年、中京大中京高)、2番手の只野尚彦(4年=慶応高)が立て続けにKO。
火消し役として登板したドラフト候補の福谷も、一死満塁から押し出しで追加点を献上するなど、この回4安打5失点で一時は逆転を許した。慶応・江藤省三監督は福谷に対して「恥ずかしい。プロにいこうという人がこれじゃ」と苦言を呈した。
恥ずかしい投球をした福谷は複雑な心境だったに違いない。プロを目指す投手として、この最終シーズンへの思いは相当強かったはず。だがそのモチベーションが格下の東京大を相手にした時、逆に強いプレッシャーとなって自身に襲いかかったのだと想像する。
■かつて早稲田・斎藤佑樹(現・日本ハム)も同じ経験をした。
(2010年10月2日、東京大対早稲田大1回戦)
早稲田 011 000 000 =2
東京大 002 001 01X =4
この試合では、ドラフトを間近に控えた斎藤が先発したものの、7回を投げ被安打5、与四死球3、自責点3の成績で敗戦投手になった。斎藤佑と福谷、好投手が高いモチベーションで東京大を相手に投げる時、困難がつきまとう。
■江藤監督の福谷への期待は大きい。だから、巨人時代の川上哲治監督の教えである「トレーニングできることに感謝し、喜び勇んでトレーニングにベストを尽くすこと。グラウンドには私(選手)の欲しいすべてがある。技術もお金も名声も未来も、これを取るも取らぬも、自分自身の実行力だけが決める」(自著『KEIO革命』ベースボール・マガジン新書)ことがプロ球界の常識と自認する江藤監督にとって、今回の福谷の投球はまるでふがいないものと映ったに違いない。
嗚呼、江藤監督の憂鬱はまだまだ続く・・・。
今日も1クリックお願いします