カテゴリ:映画・本
帰ってくると現実になる@友人の死
あさのあつこの「バッテリー」を3冊、帰りの飛行機の 中で読んだ。 野球ではないけれど、テニスのコーチと選手もバッテリー みたいに離せない関係。 昨日の夜、どうしてもDAVIDのことを誰かに伝えたくて テニスとは全然関係ない、日本の友達に宛てたメール。 >Subject: Re: 少年少女の魂 > Sさん > > ロスの自宅にひとりでいます。 > > みんなテニスの試合で、サクラメントまで行ってる んです。 > > だから実質2週間会えなくて寂しい。(メソメソ) (ちょっとポーズ) > > まあ、たまには待つ身になりなさい、ということで しょう。物分りのよい私。 > > で、思いっきり時差ぼけで、夜中なのに、目がラン ランです。(笑) > > 帰る飛行機の中で、あさのあつこの「バッテリー」と いう本を読みました。 野球少年の話なんだけど、面白 かった。 > > で、読みながら、私が日本にいる間に突然亡くなったう ちの娘のヒッティングパートナーのお父さんのことを思 い出してました。 > > お酒も手伝ってか、何故かトイレに立った時、悲しさが こみ上げてきて、声を出して泣いてました、しばらく。 > > 私にとっては、彼らの存在そのものがエンターテイメント であり、生きたストーリーだったんですよね。 > でも、エンターテイメントには虚構もあるけど、これは 本物。死はそれを実感させる。 > > 気の強い娘サマンサ。うちの子よりも一才半だか下なんだ けど、全国でもトップクラスのプレイヤー。 > > 他のプレイヤーをみんな敵に回してしまうような勝負に対 する執着心、自分のミスに対する悔しさを隠さないその娘を、 さらに挑発するようにいつもコートの外から眺める父親。 > > うちの子との練習の時には、まるでネットの向こうの相手と コートの外の父親と、ふたつの戦いをしているようだったサ マンサ。 > > その黒人の父親と一緒に試合を見にくる母親は、ヨーロッパ 系のスラリとした知的な女性で、感情的な娘とは対照的な穏 やかな人。 > > DAVID SMITH。亡くなった私達の友人は、口は悪くてもこの 家族をとても愛していて、その思いが、彼がこの世に肉体を 持たなくなった今でも残っていて、私が自分の涙を感じる度 に、悲しんでいる彼の家族、サマンサや、弟のテブン、奥さ んのサンディーに思いが飛ぶ。 > > 彼の死を伝えるダンナのメール。 > > (前略)Now for the shocking news: Samantha Smith's > dad died from a sudden heart attack last week.Stacy's > dad just told us today and we were very shocked and > saddened. Kirby > > Stacy というのもヒッティングパートナーで、こっちの > お父さんは亡くなったDAVIDとは違い、全然怒ったり > しないお父さんコーチ。 > > お父さんと娘達の物語が、周りにたくさんあるんです。 > あー、それなのに! > > 私は、あのサマンサが再びコートに立ってもっともっと強く なって帰ってくることを夢想してしまう。 > > > 自分の娘が同じ立場になっても、もしかしたら、同じ気持ち にはならないかもしれないのに、そのサマンサには、何という か、ドラマを作ってしまうかもしれないという、種火みたいな のを見てしまう。 > >何で彼の死が、こんなにも自分を突き動かすのか、私は、正直な ところ、よくわからない。 > 「バッテリー」の著者あさのあつこが、主人公の少年達の年代 の変化の激しさに惹かれると書いていた。 (中略) >DAVIDは、コートの中の娘を挑発しながら、よく笑った。 >サマンサは、時々、怒りながら、辛らつなジョークを投げた。 > >好きだったなあ、あの情景が。 > > 実は、読書をしたのは、ホントに久しぶりでした。 > 堅苦しいのとか、論理的なのが、最近ダメですね。 > > 物語、作りたいですね。 > > うん、そうだなあ。やっぱり物語。 > > 家族がいないので、今日は空港からタクシー。 > >アジア系の運転手のその車には、クラシックが流れていました。 > > 「空港からのタクシーでクラシックを聴くなんて初めてだよ。」 > > と話しかける代わりに、彼の物語を想像してみました。 > > 心地よさそうに音楽を聴く彼の横顔は、幸せそうです。 > > 彼には娘がいて、その子が音楽をやってるんだと思いました。 娘の奏でる音楽に耳を傾けているような幸せそうな顔。 > > 長い夜です。 > > 幸せをかき集めて、布団にして寝たい気分です。 > > ではおやすみなさい。 > > ひろみ@ロス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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