あすなろ日記

2012/02/09(木)22:34

オリジナルBL小説「落日(第3部)」第3話

オリジナルBL小説「落日」(62)

 BLの苦手な方は読まないでください。  苦情は受け付けません。  何卒お許しくださいませ。m(_ _)m                「お取込み中、悪いけどよ。常磐が安部麻里緒を連れて来い  って言うからさ。ちょっと借りるぜ。」  金田先輩はそう言うと、教室に入ってきて、僕の腕を掴んで  立たせ、有無を言わさず、僕を廊下に連れ出した。  「お前さ。苛められてんの?」  廊下を歩いてる時に金田先輩が僕の顔を覗き込むようにして  聞いてきた。僕はさっき坂田に落ちた物を食えって言われて、  伊藤君に助けを求めたのを見られたと思うと恥ずかしくなった。  「苛められっ子のくせに、よくもまぁ太一をフったもんだな。  普通、太一の女になってたほうが得だと思わないのか?」  「・・・」  「言っとくけど、常磐には逆らうな。あいつに逆らったら最後  学校に来られなくなると思えよ。今からお前を体育倉庫に  連れて行く。そこで常磐がお前に何か命令するけど、絶対に  逆らうな。舎弟か奴隷か何かになれって言われて、忠誠を  誓わされると思うけど、何でも従えよ。奴隷ったって本当の  奴隷じゃない。ただのパシリさ。とにかく常磐の配下に  おさまったら、他の奴からは苛められなくなるからな。  ちょっとばかりプライド捨てて頭を下げたら、全て丸くおさまる  と思って、我慢しろよ。」  金田先輩は薄笑いを浮かべながら僕に諭すように言った。  運動場の端にある体育倉庫に着くと、神社で僕を襲った  先輩の他に2人もいた。僕は6人にまわされたらどうしようと  心配しながら体育倉庫に入った。僕が入ると、金田先輩は  「連れてきたぜ。」  と言って、体育倉庫の扉を閉めた。  「昨日は何で学校休んだんだ?まさかと思うが、親には  言ってないだろうな。」  常磐先輩が凄みのある顔をして聞いてきた。  「はい。言ってないです。」  僕は怖くなって、とても小さな声で答えた。常磐先輩は  そんな僕にイラッとしたのか、  「まずは土下座だな。」  と言った。すると、神社で見張り役をした下っ端っぽい先輩が  僕の足を後ろから蹴って、  「さっさと土下座しろ!」  と言った。僕は両手をついて土下座した。深々と頭を下げて、  じっとしていると、常磐先輩が  「つまんねぇ奴だな。無表情で土下座しやがる。」  と言った。僕がせっかく土下座したのに、常磐先輩は不満  そうだった。もっと僕が嫌がる姿を見たかったのかもしれない。  僕はたかが土下座くらいで全て丸くおさまるというのなら、  いくらでも土下座する。坂田に土下座したくないのは、また  奴隷あつかいされて、苛められるのが嫌だったからだ。  金田先輩が言っていた事が本当なら、逆らわないほうが  身の為だと僕は思った。でも、その小賢しい考えを見透かした  ように常磐先輩はこう言った。  「金田に入れ知恵されたのか。」  「いや、俺は、何も言ってないよ。」  金田先輩がヘラヘラ笑いながら、即答で嘘をついた。  「どうだかな。金田は随分と気に入ったようだったからな。  ところで、お前、太一に謝ったのか?謝ってないなら謝れよ。  太一がお前を許したら、ペットにしてやるよ。その代り、  太一を二度と泣かすんじゃねぇぞ。分かったか?」  「はい。」  僕は金田先輩の忠告を思い出して、従順に返事をした。  心の中では謝れと言われても理不尽だと思っていたし、  ペットになりたいとも思わなかったけど、逆らえば、きっと  酷い事をされるに違いないし、この場を上手くやり過ごせば、  また加藤君とも仲直りできると思って、僕はしたたかに  返事をしたのだった。                              (続く)

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