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Motor & Outdoor Journalist 安藤眞の         逆説的よろず考現学

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Aug 2, 2014
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みなさん、こんにちは。

 表記の件、神奈川県山北町のキャンプ場”ウェルキャンプ西丹沢”で、増水した川を渡ろうとした4輪駆動車が流され、親子3人が死亡するという事故が起きてしまいました。まずは亡くなられたかたのご冥福をお祈りいたします。
 
 丹沢では1999年にも、玄倉川の河原でキャンプしていた団体が、増水による避難勧告を無視して居座り続け、全員が流されて13人が死亡するという事故が起きています。このとき僕は、山と渓谷社Outdoorの依頼を受けて事故を詳細に取材し、注意を喚起する記事を書いたのですが、また似たような事故が起きてしまったことが残念でなりません。
 
 玄倉川の事故を取材している際、「4輪駆動車で助けに行くことはできなかったのか」という声を聞きました。玄倉川の現場はコンクリートで護岸しており、そもそもクルマが入れる状況ではなかったのですが、仮に入れていたとしても、それは不可能どころか、むしろ自殺行為です。

 僕はかつて、自動車会社で4輪駆動車の悪路走破性に関わる部門で設計の仕事をしていましたが、4駆といえども、徒渉できる水深は、静水でタイヤ直径の3分の2、流れがある場所では半分が限界です。それ以上、深くなると、ボディが浮き上がってタイヤの接地荷重が抜け、その場で動けなくなるか、水圧で流されたり、ひっくり返ったりするのが関の山です。場合によってはクルマがダムになってしまい、川の水位は増えていないのにクルマに当たる水圧が増し、ひっくり返されてしまうことさえあります。

 雑誌やネットで、水中走行をしている4輪駆動車の写真を見たことのある人もいるかも知れませんが、多くはオープンボディのドアさえ無い車両で、車内に水が入りまくるから浮かないし、エンジンの吸気口にはシュノーケルを付けているのでエンストしないだけ。”キャメルトロフィー”など競技の映像でボンネットまで水を被るようなシーンがありますが、あれも流れの無い場所で、クルマに押されてせり上がった水がボンネットを越えているだけで、水深がボンネットまであるわけではありません。そもそも市販されているSUVで同じことができるかと言えば、答えはNOです。
 
 みなさん、くれぐれも4輪駆動車の走破能力を過信しないで下さい。増水した川は、歩いて渡るのも危険です。流れが急な場所では、足腰が頑強な人でも、水深は膝頭までが限界です。それ以上、深くなったら、渡るのは諦めて、安全な場所を確保して下さい。
 
 
8月3日追記:東京新聞によりますと、生き残った父親は「急に水が増えて鉄砲水が来た」と証言しているそうですが、恐らくこれは、クルマが水をせき止めてしまって水位が上がったのを”鉄砲水”と誤認したものと思われます。ボディサイドより上に水が来れば、ごく普通に起きることです。「鉄砲水が来て運が悪かった」のではなく「知識があれば防げた事故」です。
 
 
 参考までに、山と渓谷社Outdoor誌1999年11月号の記事の一部を貼っておきます。 
 
山と渓谷社Outdoor誌1999年11月号の記事。DSCN2766 のコピー_01.JPG 





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Last updated  Aug 3, 2014 06:01:46 PM
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