|
カテゴリ:カテゴリ未分類
今日の記事を書く際に、以前、こんな提案を新聞社に送って、ボツにされた(無視された)ことがあったのを思い出しました。死蔵しておくのももったいないので、ここに公開しておきます(作成日は2013年7月9日です)。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 最近、貴紙投書欄でマニュルトランスミッション車(MT車)を支持するものを、良く見かけるようになりました。かねてからMT車の優位性を主張しているもののひとりとして、ご意見申し上げます。 皆さんがおっしゃるように、MT車はAT車より安全です。ブレーキペダルを踏む時には、たいていクラッチペダルにも足を載せます。もし、ブレーキとアクセルを踏み間違えても、クラッチペダルも同時に踏む癖が付いていますから、駆動力が断たれてクルマが前に進むことはありません。 特に発進時には、クラッチを切らなければギヤが入りません。もしその状態で誤ってアクセルペダルを踏んでも、クルマが動き出すことはありません。左手は変速操作に使いますから、携帯電話運転も抑制できるでしょう。 さらに発進時には、微妙なクラッチ操作が必用ですから、免許を持っていなかったり、酩酊しているような場合では、発進することはままならないでしょう。すなわちMT車には、無免許運転や飲酒運転を抑止する効果もあるのです。 しかし運転の安楽さを考えれば、多くの人は、今後もAT車を選ぶことになるでしょう。MT車の普及率を回復するには、保険や税金などの面で、何らかのインセンティブを与える必用があります。 ところが現状は、むしろ逆になっています。MT車の燃費計測方法が不適切であるため、同じモデルでもMT車だけエコカー減税の対象から外れてしまうケースが出て来ているのです(ex.スバル・フォレスターなど)。 JC08モードの燃費計測では、AT車は「Dレンジのまま走行すること」と決められています。一方でMT車は、変速する速度が逐一、決められています。この速度が、実際の運転と大きく乖離しているのです。例えば、1速から2速に上げるのは20.1km/h、5速に上げるのは61.8km/h、といった具合です。 一方で、エンジンは低い回転数で使ったほうが燃費が良いため、近年は低回転でもトルクが出るように作るのがトレンドとなっており、2速に上げるのは10km/h以下、50km/hにもなれば、5速に入れて何の問題も起こりません。すなわちMT車は、JC08モード燃費計測時、実情に合わないほど高回転までエンジンを回さなければならなくなっているのです。 AT車の場合、JC08モードの走行パターンのときにもっとも燃費が良くなるよう、変速プログラムを作ることができますが、MT車はそうはいきません。こうしたことから、MT車の燃費が実情より大幅に悪く計測され、エコカー減税の対象にならないという事態が発生しているのです。実際に伝達効率の点では、MT車がAT車に劣ることはないにも関わらずです。 さて、AT車の普及が加速したきっかけは、何だと思いますか? もちろん「運転が楽」ということもありますが、もっとも影響の大きいのは、’91年11月に施行されたAT限定免許制度です。これのおかげで、従来では免許が取れなかった人でも、容易に免許が取得できるようになったのです。 AT限定免許が導入された理由は、「AT車の事故が急増しているから、AT車の操作に習熟するため」というものでした。ところが実際に事故率を調べてみると、乗用車に占めるAT車の割合が51.1%だった’89年、死亡事故に占めるAT車の割合は、42.7%に過ぎませんでした。この結果から考えると、「AT車の事故が急増したのは、単にAT車の普及率が高まったから」と考えるのが相当なはずです。 しかもAT限定免許の教習内容は、従来の教習内容からMTのクラッチ操作習熟を省き、3時間、短くなっているのです。もし本当に「AT車の操作に習熟する」のが目的であれば、AT車の特性に合わせた運転方法を教えるべきですが、実際にはそうはなっていません。 しかも、事故抑制のための政策であるなら、施行後の効果測定がなされて当然ですが、総務省も警察庁も、それをまったく行っておりません。これでは「免許を取りやすくすることで、潜在需要を喚起するための政策」と勘ぐられても仕方ないのではないでしょうか。 では、「AT車の特性に合わせた運転方法」とは、どんなものでしょうか? それは「ブレーキを左足で踏む」ということです。アクセルを踏む足とブレーキを踏む足を分けてしまえば、ペダルの踏み間違い事故は大きく減らすことができるのです。 これらのことから、以下のことを提言いたします。 1. JC08モード燃費計測時のMT車の変速速度は自由とする。 2. MT車に保険や税金の面で割引料率を適用する。 3. AT限定免許教習に、「左足ブレーキ」を導入する。 以上、交通政策が少しでも実体に合ったものとなり、交通事故の防止、CO2排出量の低減、大気汚染の減少につながるよう、今後も努力して参ります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|