梅木水晶の日常

小学生の頃、毎日こどもしんぶん、毎日小学生新聞を購読しておりました。
毎週土曜日に「こどもしんぶん」が、
大人が読む、毎日新聞と一緒に折り込まれて来ていたので、
親が「鳥がこどもしんぶん結構読んでるみたいだから、ついでにとろう」と思い、
とっていたようです。結構楽しく読んでいたような気がします。

新聞記事はもとより、私が一番楽しみにしていたのは、
「文通相手募集」のコーナーでした。
今は、パソコンで一通り事足りてしまいますので、
手紙を書くことなど殆どなくなってしまいましたが、
たまに手紙を書きたくなると、
友人方々の住所を引っ張り出して、ちまちま書いたりしておりました。

私が文通を初めて始めたのは、小学校４年の頃でした。
愛知県名古屋市の女子でした。
ど田舎の山形に住んでいた私は、
ど田舎にすむ私のような女子と違い、
都市部に住む女子はどんなんだろう、
お化粧なんかしたりしてるのかな、
発育はいいのかな、などと思いつつ、
手紙を出したのがきっかけでした。

１ヶ月ほど後に、返事が来ました。感動しました。
年賀状などは送り送られしておりましたが、
封書の手紙を頂いたのは、初めてだったのではないでしょうか。
何でも、その名古屋の女子、全国の男子女子問わず、
１００通以上も手紙が来ちゃって、大変です、との事。
あらー、毎日小学生新聞って、結構たくさんの人が読んでいるもんなのねー、
日本全国、文通したがっている小学生って、結構いるもんなのねー、と思いながら、
相手がそんな状況にも関わらず、私はまた返事を出してみました。

しかし、待つだけの文通ではだんだん飽き足らなくなってきて、
私も「文通相手募集」のハガキを、毎日小学生新聞編集部に出しました。
自分の出したハガキが新聞に載った時は、
びっくりして、悲鳴をあげてしまいました。
近くにいた、今は亡きおばあさんに、
「ちょっと、これ、鳥だよ!!」と見せたら、
おばあさんは、すぐには話を飲み込めなかったようで、
「ハァ？？」といった感じでしたが、
奥から老眼鏡を持ってきて、新聞に掲載された私の住所と名前を見て、
納得したようでした。

それから暫くの間、
手紙が来るのをうきうきしながら待っておりました。
いっぱいくるといいなあ、なんて思いながら。

結果、私が初めて手紙を出した名古屋の女子ほど反応は思わしくはなく、
返事はそんなに来ませんでした。

少し期待していた、男子からの手紙も一通も来ませんでした。

それでも、ピーク時には、日本全国津々浦々、
２５人の女子と文通をしていました。
写真を交換したり、電話で喋ったりして、結構楽しくやっておりました。
社会人になってからも続いていたのは、うち１人でした。
今はもう、誰とも文通をしておりません。

私が小学生の頃に比べると、
レターセットも大変お求め安い価格になっております。
当時は、封筒５枚、便箋１５枚入りくらいで、４００円が相場でしたが、
今は封筒２０枚、便箋６０枚入りで４００円。わー、安い。
デザインにこだわらなければ、１００円ショップにもありますね。
最近、手紙を殆ど書かないというのに、
素敵なデザインのを見つけてしまうと、
レターセットでも切手でも、ついつい勢いで買ってしまいます。

そんな訳で今更ですが、どなたか、私と文通をしませんか？