梅木水晶の日常

私が仕事に行っている間、
留守番をしている男の所には、
ま～色んなお客さんが来るそうで、
今日はその一例を挙げてみます。

その子は、おかっぱ頭の女の子で、
年齢は、小学校にあがる前くらいで、３～４歳ぐらいとの事。
目が非常に大きく、肌は土気色。
顔立ちは、私に似ているそうです。

男が家の中で漫画を描いている時に頻繁に現れ、
リビングと台所を仕切るドアの隙間から、
男とはある程度距離を置いた状態で、
男をじっと見ている事が多いのだそうです。
男が声をかけても反応はせず、表情も変わらないとの事。

一度、その子が男に急接近してきた事があったそうです。
男が体調を崩し、ベッドに横になっていた時だそうです。

男の体調を伺うかのように、横になった男の顔の真上あたりから、
男の顔を至近距離で覗き込んできたとの事。

その時、その子は男に触れるなどといった事はなく、
しばらくすると、タタッ、と離れていったそうです。

初めて家の中にその子が現れた時、
びっくりして、正直怖かったけれども、
男はなるべく驚かないようにしたと言うのです。

私は「また相変わらず寝ぼけた事言っとるな。」と思いましたが、
「家の中にその子が遊びに来てくれるなら、
　犬ちゃんも淋しくないね！
　また遊びに来た時の為に、
　何かお菓子を用意しておこうね。」と言いました。

翌日、たべっこどうぶつを買っておきました。

「女の子、来た？」と私が尋ねると、
「来なかったよ」と男は言いました。
「たべっこどうぶつは？」と私が尋ねると、
「来なかったから僕が食べたよ。」との事。

「結局お前が食うんかい」と思いました。